部下に仕事を「落とす」のはダメな上司の典型例だ-3
■部下の熟練度を4段階に分けると…
この4つのリーダーシップスタイルは、どうやって選べばいいのでしょうか?
コツは、部下を4つのステージに分けることです。
部下の仕事の熟練度によって、そのまま4つのスタイルに振り分ければよいのです。
第1期:初めてその仕事に取り掛かる初心者→「①指示型」 新しい仕事に取り掛かるときは、モチベーションが高くないですか?
「何もわからないので教えてください」というスタンスなので、指示型で答えを提示されても、何の不満も出てきません。
むしろ、知らないことを質問されたり、放置されたりしたら、かえってモチベーションが落ちてしまうでしょう。
初心者には指示型でどんどんティーチングをしてあげることが最も有効です。
第2期:仕事に慣れてモチベーションが落ち気味の未熟者→「②提案型」
仕事に慣れた頃は、モチベーションが落ちがちです。
こんなものか、と仕事の深みもわからず未来に期待感が持てなかったり、大きな達成感が得られるほどの結果も出していないので、仕事の喜びも感じられない。
そういう時期は、提案型がハマります。自分で答えを出せないので、上司の答えはほしいのですが、指示型だと、初心者扱いするなとイライラしてしまいます。子供のイヤイヤ期のように、自分でやりたいのですが、その能力はないという、なんとも困った時期なのです。
だから上司は、提案型で答えを示しつつ、自分で答えを選ばせるというスタイルを取る必要があります。提案型はできない人が本当に多いのですが、実際は非常に簡単で、答えを言った際、語尾を変えるだけでうまく行きます。
「〇〇だと思うんだけど、どうかな?」これだけです。こうして語尾を変えるだけで、指示型は提案型に変わります。提案型を覚えると、部下の育成の幅がぐっと広がります。
第3期:能力はあるのに自信がなく、不安にブレがちな中堅→「③援助型」
何回も仕事に取り組んで、上司から見ればやれる能力があるのに、放っておくと不安になったり、途中で別のことを始めてしまう部下はいませんか?
もしあなたの部下にそういった傾向があるなら、第3期です。
この部下は、指示型や提案型のように答えを求めているわけではありません。
また、委任型も違います。「どうやって進めるつもりかな?」「どうしたらいいと考えてる?」と、部下から答えを引き出し、「それでいいと思うよ」と承認してあげる。それだけです。
任せ下手の上司は、答えを提示しないといけないと思いがちですが、そうではありません。
第3期の部下は、援助だけしてほしいのです。
第4期:能力もモチベーションも高いハイパフォーマー→「④委任型」
ある程度放っておいても成果をあげる部下を、任せ下手な上司は「放置」してしまいます。
委任型は、放置とは違います。ゴールのすり合わせをしているかどうか、ここが大きな違いです。
放っておいても成果をあげるからといって放置していると、「あの人は何もしてくれない」「いてもいなくても同じ上司」と見られます。