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【福岡/キャリアコンサルタント】アサーションのケーススタディ

【福岡/キャリアコンサルタント】アサーションのケーススタディ

ストレス耐性を高めるコミュニケーション技術
“わたし”を主語にしてさわやかな自己表現を

アサーションは、直訳で「主張」「断言」などと訳されますが、それではニュアンスがやや強すぎて本来の意味にそぐわないため、しばしば「さわやかな自己主張」と言い表されます。発祥は1950年代のアメリカ。心理療法の一種として開発されたアサーションは当初、対人関係に悩む人を対象としたカウンセリングに活用されました。日本には80年代に伝わり、現在は企業や学校などさまざまな場所で広くトレーニングが実践されています。

自分の言いたいことがうまく言えれば、どんなに楽に過ごせるだろう――職場や家庭でそう考える人は少なくないでしょう。しかし実際には、言いたいことが言えずに自分ばかりストレスを抱え込んだり、言わなくてもいいことまで口にして相手にストレスを与えたり、といったトラブルは日常茶飯。そうした環境下でも、良好な人間関係を保ち、前向きでいられる人、つまり対人面の“ストレス耐性”が高い人はほぼ例外なく、アサーションの技術を身につけていると考えられます。

自分の言いたいことを言う場合、相手を傷つける言い方と、傷つけない遠回しな言い方があります。また要求や意見をはっきり表明する言い方と、はっきり言わない言い方があります。アサーションの理論では、これらを次の4タイプに整理分類します。

相手を傷つけない 相手を傷つける
要求をはっきり言わない (1)非主張的 (2)復讐的
要求をはっきり言う (3)アサーティブ (4)攻撃的

たとえば職場に、仕事がすごく遅い同僚のAさんがいるとします。決して、できない人ではないが、とにかくマイペースで周囲に迷惑が被ることもしばしば。この状況を何とか打開していくために、Aさんに対してどのような言葉をかければいいのか。

日本人の場合、相手を傷つけまいとして要求をはっきり伝えない、(1)の非主張的なコミュニケーションになってしまうことが少なくありません。「Aさん、あのさ、もうちょっと……いや、何でもないよ」といった調子。これではストレスが溜まる一方で、事態は一向に改善されません。(1)と同じくはっきりとは言わないが、相手を傷つけるのが(2)の復讐的なタイプ。たとえば「Aさん、飲みに行く時間はあるのにねえ…」というふうに、口調は柔らかでも結果的に相手を傷つける自己表現です。(4)の攻撃的なタイプは、相手が傷ついてもいいから言いたいことをはっきりと言う。「Aさん、とにかく君はいつも仕事が遅いんだ。飲み会に出る暇があったら働いてよ!」という自己表現で、トラブルの火種にもなりかねません。

これらに対してアサーションが目指す自己表現、つまり(3)のアサーティブな言い方とは、たとえば「飲みに行くのはもちろんAさんの自由だし、いい仕事をするにはリラックスも必要だと思うけど、私としては期限を守ってくれると、とても助かるんだ」というものです。

これなら批判や攻撃のニュアンスが抑えられ、相手も受け入れやすいでしょう。ポイントは「私としては」の部分です。“きみ”や“あなた”ではなく、“わたし”を主語にしたメッセージ。相手のことばかりとやかく言うと、言われたほうは威圧や押しつけがましさを感じ、かえって反発したくなります。私はこう思う、私はこう感じる、だからあなたにこうして欲しい、と率直に自分の思いを伝える心がけが、自分も相手も尊重するアサーティブなコミュニケーションのポイントです。

 

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