【福岡/外部人事室】1. 今話題の「1on1」とは?
目標や成果を確認する面談ではない
1on1ミーティングは、部下の成長を目的に行われる1対1のミーティングのことであり、プロジェクト遂行などのために、目標や成果を確認する面談とは異なります。
1on1ミーティングにおいて重要なのは、上司が部下に現状の問題の解決策を考えさせること。そのため、「部下に話をしてもらう」「上司が先に自分の考えや答えを言わない」「上司に依存した関係にならないようにする」といったことに注意しなければなりません。また、問題があれば、その解決に向かって部下を実際の行動に導くことも必要です。つまり、1on1ミーティングとは、あくまでも「人材育成」を目的にしたミーティングなのです。
さまざまな企業で行われる1on1ミーティング
ヤフー、パナソニック、日清食品、ソニー、楽天、クックパッドなど、1on1ミーティングは日本の大手企業でも続々と採用されています。企業はどのような効果を期待しているのでしょうか。
1on1ミーティングを先駆的に取り入れてきたヤフーは、「経験学習の促進」と「社員が自分の才能を自分で発見する」効果があるとしています。具体的にはどのような効果があるのか、見ていきましょう。
「経験学習の促進」
一人だけでは考えきれないこと、思い悩んで時間を無駄にしてしまうことでも、上司と話し合うことで、部下はより早く解決の糸口を見つけることができます。1on1ミーティングでは、積極的にその機会を設けることで、経験学習のサイクルを促進するという目的があります。
「社員が自分の才能を自分で発見する」
人は自分にどういった才能があるのか、何が得意なのか、自分ではよくわからないことがあります。ヤフーは「社員の才能を解き放つ」ことを重要視しており、1on1ミーティングを通して仕事や職場環境からの経験学習を促進することで、自らの才能に気づきやすい環境を整え、情熱あふれる職場にすることを目指しています。
例えば、1on1ミーティングの途中で、上司が「どのような仕事をしたいのか」と問いかけることがあります。この回答によって部署異動が決まることはあまりありませんが、このような問いかけをきっかけに、部下は自分のやりたいこと、あるいは現状の仕事の不満点などを自省し、「本当の自分」に気づくことができます。
時代の流れの速さに対応できる社員を育成
IT技術の発展で情報の移り変わりが加速化するなか、「自分で考える社員を育成したい」という各企業の思惑が、1on1ミーティングの流行を促進しているようです。指示された仕事をする社員ばかりでは、それぞれの知識をぶつけ合って相乗効果が生まれることもなければ、イノベーションが生まれることもありません。時代の流れの速さに対応できる社員を育成するために、1on1ミーティングが活用されているのです。