【福岡/北九州市/キャリアコンサルタント】5.コーチングの課題
コーチングを取り入れる際には、課題も理解しておく必要があります。コーチングの課題には、以下のようなものがあります。
目的が形骸化しやすい
コーチングする側の人が陥りやすいのが、コーチング自体を目的としてしまうことです。コーチングによって得られた直接的な効果や成果を数値化するのは難しいものです。そのため、コーチングしている人を評価する体制がとられていないケースが多く、モチベーションの低下や目的の形骸化を招くという課題があります。
コーチングを取り入れる際は、コーチングする側の人をどう評価するか、基準を明確にすることが重要です。
感情面でのフォローが少ない
カウンセリングでは人の感情や精神面に重きが置かれます。これに対しコーチングでは、成果につながる自発性や行動に着目することが多くなります。そのため、思考面やスキルに偏りやすく、感情面のフォローが薄くなってしまう傾向があります。
しかし、感情面のフォローを行わないと、テクニックの誘導に留まってしまいます。コーチングの効果を得るには、人の感情と行動は強く結びついているということを理解しておく必要があります。
習得するのに時間がかかる
コーチング理論には心理学の要素が多く取り入れられています。そのため、専門的な知識や技術を習得する必要があります。正しく理解できていないままコーチングを行うと、過剰に相手を追い込んでしまうといったリスクが生じます。
また、知識を習得しても、実際の行動でこれを生かすのは容易ではありません。そのため、継続的に学んでいくことが必要となります。コーチングを取り入れるには、長期的なビジョンのもと、計画的に実施することが必要といえるでしょう。
6.現在のビジネス環境に有効な手法
変化のスピードが速い現代のビジネス環境では、正解がない中で成果につながる行動を続けていくことが求められます。また、組織の多様化が進み、リーダーに求められるマネジメント方法も変化しつつあります。
コーチングは、こうした環境に対応する社員やリーダーの育成に有効な方法といえます。また、イノベーションの創出や組織の一体感醸成にも大きく貢献するスキルです。しかし一方では、習得に時間がかかる、継続的に学ぶ必要があるといった課題もあります。コーチングを導入するメリットやデメリットを理解したうえで、計画的に実施することが重要です。