【働き方キャリア相談】コロナ禍で転職、注意点は 失業手当、給付まで2カ月に
新型コロナウイルスの影響で会社の業績が悪化し転職を考えています。失業手当の給付日数が延長された話などを聞いていますが、今退職する場合の注意点を教えてください。
退職には倒産や解雇などの「会社都合」と、転職のためなどに自ら辞める「自己都合」があります。いずれも雇用保険に加入し、求職していれば基本手当(失業手当)が給付されます。給付日数は勤続年数などによって異なり、例えば10年加入し、転職を理由に退職した場合は120日分を受け取れます。
今年6月の雇用保険特例法の施行により、新型コロナの影響で失業した人への手当の給付日数が60日間延長されましたが、対象は会社都合で、自己都合退職の人には適用されません。
また会社都合の退職では7日の待期期間を経て失業手当がもらえますが、自己都合では安易な離職を防ぐため3カ月間、手当がもらえない「給付制限期間」があります。コロナ禍により失業の懸念があったとしても、実際に会社が倒産したり解雇されたりしなければ自己都合での退職となります。給付制限期間も3カ月間かかります。
しかし、10月1日から自己都合による給付制限期間が2カ月間に短縮されます。若い世代を中心に自分の能力を生かすため「チャレンジ転職」する人が増えており、こうした人たちが安心して再就職活動できるようにと考えられた制度改正です。
注意が必要なのは再就職が10月以降でも退職が9月30日までであれば従来通り3カ月間給付が制限されてしまう点です。また過去5年間で2回以上、自己都合退職をしていると、3回目以降は給付制限期間が3カ月間に戻るので気をつけましょう。
転職を目的に退職する人は10月以降とすることでこれまでより1カ月早く、失業手当を受け取ることができます。経済的な助けとなり、自分に合った職探しなどに専念しやすくなるでしょう。