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【福岡/北九州/働き方キャリア相談】パート「年収の壁」超え働く

【福岡/北九州/働き方キャリア相談】パート「年収の壁」超え働く

パートタイムの妻など配偶者の扶養内で働く人が直面する「年収の壁」。年収が一定の水準を上回ると税金や社会保険料の支払いなどが発生し、世帯の手取り額が減る。このため働き方を調整する人は多いが、厚生年金に加入して働けば将来受け取る年金が増えるなどのメリットがある。個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)を活用し、全体の税負担を軽くすることもできる。


年収の壁でまず最初に意識されるのが103万円だ。夫に扶養されているパートの妻を例に見てみよう。妻の年収が103万円を超えると本人に所得税の支払い義務が発生し、扶養する側の夫が税制上受けられる38万円の「配偶者控除」がなくなる。夫の年収が一定水準以下なら配偶者特別控除の対象になるが、これは妻の年収が150万円を超えると段階的に縮小していく(図A)。

さらに夫の会社に配偶者手当や扶養手当などがある場合、103万円が壁になることが多い。人事院の2019年調査によれば、配偶者手当を支給する企業は全体の63%。このうち配偶者の収入制限の額を年103万円としているのは52%と過半を占める。家族手当の平均支給額は厚生労働省の15年調査では月約1万7000円。家計にとって小さくない金額だ。

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次に壁となるのが、社会保険上の扶養から外れる106万円や130万円。妻の勤める会社が従業員501人以上なら年収106万円以上、500人以下なら130万円以上で、所定労働時間が週30時間以上などの条件に当てはまると、自分で厚生年金や健康保険の保険料を払う必要がある。

保険料は会社と折半するが、40歳以上が対象の介護保険料も含めると保険料率は約15%に達する。税金の負担は年収100万円超で住民税、103万円超で所得税と徐々に増える。一方、社会保険料は「106万円や130万円で新たに発生し金額も大きいため、家計が最も意識すべき壁」とファイナンシャルプランナーの深田晶恵氏は指摘する。

特に影響が大きいのが、夫が会社員のケースだ。扶養内であれば妻は国民年金の第3号被保険者、健康保険の被扶養者に該当し、社会保険料は発生しない。しかし従業員500人以下の会社で働く妻の年収が130万円になると、厚生年金と健康保険を合わせて月約1万5500円の社会保険料を払う必要が出てくる。年換算では約18万6000円で、世帯の手取り額は大きく減る。

世帯の手取りを同じ水準に回復するには妻の収入をさらに増やす必要がある。深田氏の試算(グラフB)によると年153万円ほどになれば手取りが回復する。従来より2割近く長く働いたり、時給の高い職場に転じたりすることが選択肢になる。子育て中の女性などにとっては時間の捻出などでハードルが高い面もありそうだ。

ただ現役時の手取りが減ったとしても、長い目でみれば厚生年金に入って働くメリットがある。例えば年収150万円で厚生年金保険料(年約13万8000円)を払いながら10年働けば、65歳から受給できる厚生年金は概算で年8万3000円ほど増える。10年分の保険料の総額は約138万円だが、17年後つまり82歳ごろには上乗せ額の合計が上回る計算になる。

平均余命でみると例えば50歳の女性は88歳程度まで生きるので、上乗せの恩恵を受ける可能性は大きい。減少した手取り分の元を取るという意味では、年数はもっと少なくて済む。妻自身が健康保険に入れば、現役時代にケガや病気で休業した場合に傷病手当金も受け取れるようになる点も、メリットの一つといえそうだ。

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「少しでも節税をしたくて」。神奈川県に住む女性Aさん(43)は昨年からイデコを始めた理由についてこう話す。Aさんは5年前に出産を機に仕事を辞めて夫の扶養に入ったが、その後に仕事を再開。パート先の収入が年103万円を超えたため、老後資金づくりにも役立てようとイデコに加入したという。

イデコは国民年金や厚生年金に上乗せして、自分で掛け金の拠出額を決めて運用する制度。掛け金は全額が所得控除の対象になる。通常は約20%の税率がかかる運用益も非課税で再投資できるので、効率的な資産形成が可能だ。

掛け金には上限があり、例えば妻の会社に確定給付企業年金や企業型確定拠出年金(DC)がなければ、月2万3000円が上限となる。年収150万円で所得税と住民税の合計が約4万3500円の場合、イデコを上限まで利用すれば27万6000円が所得から控除され、4万円近く税負担が減る計算になる。節税額はイデコ公式サイトや多くの金融機関のホームページで提供するシミュレーション機能でおおまかに試算できる。

イデコは運用資産を受け取るときも税制優遇がある。一時金方式で受給すれば退職所得控除、年金方式なら公的年金等控除という非課税枠の対象になる。いずれもイデコの資産と退職金や公的年金を同じ枠で計算するため、フルタイムで働き、退職金や公的年金が多い正社員はイデコ分の枠が余らず、課税されることがある。

一方、パートなど短時間労働者は退職金が出ないことが多く、公的年金も正社員に比べ少なくなりやすい。「パートの主婦こそイデコ受給時の税制優遇の恩恵を受ける可能性が大きい」と大和総研主任研究員の是枝俊悟氏は指摘している。

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