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【中小企業支援】 コロナ下で揺らぐ雇用保険

【福岡/北九州/中小企業支援】 コロナ下で揺らぐ雇用保険

新型コロナウイルス禍が雇用保険制度の財政に影を落としている。雇用維持を支える雇用調整助成金の財源が底をつき、本来は失業保険の給付などのために集めたお金を融通する状況が続く。この結果、労使が折半してきた雇用保険料の積立金は急速に減っている。資金不足を補う手を打たなければ労使の負担は2022年度に単純計算で年1兆円規模で増える。

雇調金はコロナ危機への対応で重要な役割を果たしてきた。そのベースにある雇用保険財政を維持する政策対応などの議論が必要になりそうだ。

雇調金のコロナ後の支給決定額は20日までに2.2兆円に達した。感染再拡大で企業活動の制約が強まれば、支給額はさらに膨らむ。支援額を上積みする特例措置の延長もある。

雇調金は企業が拠出する「雇用安定資金」でまかなうのが本来の姿だ。しかし、この財源は既に枯渇し、雇用保険本体の積立金を活用してしのいでいる。雇用保険からは既に5千億円を融通し、さらに数千億~1兆円超の追加も見込まれる。

資金の融通は返済が前提だ。過去にはリーマン危機の際に雇用保険本体から、雇調金のために500億円程度を貸し出したことがある。

今回の貸し出しは桁違いに巨額で、雇用保険の積立金そのものが急減している。20年度末の残高は前年度比1.7兆円減の2.7兆円の見込み。過去最高だった15年度末(6.4兆円)の4割程度まで落ち込む。本来の目的である失業保険や育児休業給付のお金が足りなくなりかねない。

積立金不足を解消する単純な手立ては労使折半の保険料の引き上げだ。近年はコロナ前までは雇用情勢の改善で失業保険の給付も少なく、保険料率を低く抑えてきた経緯がある。

改めての引き上げの時期は22年度になるとみられる。まず21年度末で0.2%分引き下げる時限措置が終わる。さらに一定以上の積立金があれば弾力的に保険料を下げられる規定も22年度から適用できなくなり、0.4%分上がる。料率は計0.6%上がる計算だ。

保険料率は2年前の決算を基準に決める原則がある。21年度分はコロナ禍の前で積立金が潤沢だった19年度のデータで判断するので、まだ現状のまま据え置くことが可能だ。22年度分は急速に積立金が減る20年度の決算で判断するため、法改正などをしない限りはほぼ自動的に引き上がる。

今の料率は0.6%。2倍の1.2%となれば会社員が給与から天引きされる額も2倍になる。給与が月30万円の場合で保険料は月900円から1800円に上がる。

雇用保険の財政難を放置はできない。足元では雇用保険の主要な機能である失業保険の給付も増え始めている。9月の支給決定件数は約11万件で前年比11.8%増。9月の失業率は3.0%と、なお低水準にとどまるものの、今後は上昇が予想される。積立金をきちんと確保する必要性は一段と高まる。

保険料率の急上昇を避けるには国の一般会計から資金を補填する方法がある。税金を投入するかたちだ。労使からは「厳しい経済情勢下で負担増は耐えられず、国の支援が必要だ」との声があがる。

国の財政も厳しい状況は変わらない。財務省は一般会計からの最大1兆円規模もの補填には難色を示す公算が大きい。雇用保険を所管する田村憲久厚生労働相は「厳しい状況だが、財務当局ともしっかり調整していきたい」と話している。

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