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【高校生・就活】 高校生が夢描けぬ就職慣行

【福岡/北九州/高校生・就活】 高校生が夢描けぬ就職慣行

若者の雇用をめぐっては大きく2つの課題がある。学校卒業後、スムーズに就職できるようにすることと、早い段階で仕事を辞めてしまうのを防ぐことだ。コロナ禍で就職氷河期の再来が懸念され、前者に関心が集中しがちだが、後者も重要度は劣らない。

早期離職は若者全般にみられる傾向だが、とりわけ高校を卒業して就職した人に顕著だ。厚生労働省によると、高卒で就職した人の4割は3年以内に辞めている。

問題は早い段階で離職することで技能の蓄積が進みにくくなり、その後の雇用や収入が不安定になる可能性が高まる点にある。

リクルートワークス研究所の全国就業実態パネル調査(2019年版)によれば、最初は正社員だったが退職後は非正規で働いている20代の人の割合は高卒者で36.2%。大卒者の25.3%を10ポイント以上上回る。高卒者の早期離職は社会的にも深刻な問題だ。

大学進学率が5割を超え、若者の就職をめぐる議論は大卒者を想定した場合が多い。だが現在120万人弱の18歳人口の減少が加速することを考えれば、その2割弱にあたる高卒就職者にも、もっと目を向ける必要がある。貴重な人材資源を十分活用できていない現状は放置できない。

高卒者の早期離職の背景には、高校生が自らのキャリア形成を考える機会を持ちにくい就職慣行がある。

就職活動のスタートから一定期間、1人の生徒は原則1社しか応募できないという「1人1社制」が定着している。一般に地域のハローワーク経由で学校に来た求人から教員の勧めをもとに1社を選び、学校推薦で応募する。

「希望する業種や職種について、複数の企業を比較する機会があまりないのは問題」と、リクルートワークス研究所の古屋星斗研究員は話す。「これまでの勉強を生かせるのはどの会社だろう」「僕の、私のやりたいことは、やっぱりこれだ」などと考えを深めることが、1人1社制のもとでは難しいと指摘する。

「高校生が夢と希望と目標を持てる就活になっていない」というのは高校新卒者の採用支援をするジンジブ(東京・港)の佐々木満秀社長だ。納得して入社したわけではないなら早期離職もやむを得ない面があるだろう。

高校生が、社会人として成長するイメージを膨らませることができる就活にする必要がある。仕事や会社に関する情報を広く入手できるようにしなければならない。

まず求められるのは1人1社制の早急な見直しだ。選考に漏れた生徒は複数の企業への応募が可能になるが、最初から「複数応募」を認め、高校生が様々な企業の情報を得る機会をつくるべきだ。

1人1社制は地域の有力企業や大手企業の事業所に高卒者を供給する便利なシステムとして機能してきた。企業は採用活動、学校は就職指導を効率化できる。高校生にとっても就職の一定の安全網になっている面はある。しかし生徒の主体的な就職活動を妨げている点は大きな問題だ。

ネットは高校生がより多くの企業の情報を集める手段になる。積極的な情報発信が企業に求められる。民間の職業紹介サイトなどを通じ、高校生が入社後の一日の生活を描けるくらいの情報提供が望まれる。職場見学会もオンライン開催を考えてほしい。

現在でも高校生は学校推薦で応募する以外に、民間の職業紹介を使った就活もできることになっている。企業は有望な人材確保のためにも情報発信に力を入れるべきだ。

高校生自ら情報を集め、考える就活にするには、学校の役割も重要になる。将来の生き方や職業選びを考えさせるキャリア教育の強化が要る。

教員が多忙という問題があるが、手立てはある。高校生の就職を支援するアッテミー(大阪市)の吉田優子代表は「就職指導のプロ人材である『スクールキャリアカウンセラー』をもっと配置すべきだ」と提言する。

高校生が就業意識を高め、主体的に動く就活になれば、内定も今より取りやすくなるのではないか。生徒が得る情報の質・量を、いかに充実させるかが問われている。

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