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【ダイバーシティ】 遠い「女性指導層3割」

【福岡/北九州/ダイバーシティ】 遠い「女性指導層3割」

政府は25日に閣議決定した第5次男女共同参画基本計画で、指導的地位に占める女性割合を3割へ引き上げる目標の達成時期を「2020年代の可能な限り早期」に先送りした。これまでは「20年までに30%程度」が目標だったが、実績はその半分程度にとどまり、国際社会での遅れが目立つ。

労働力調査によると、日本の女性管理職比率は19年に14.8%だった。国際労働機関(ILO)がまとめた19年の世界平均27.9%と開きがある。

世界経済フォーラム(WEF)が男女平等の度合いを調べたジェンダー・ギャップ指数も日本は19年に153カ国中121位だった。主要7カ国(G7)では最下位で、中国(106位)や韓国(108位)などアジア主要国と比べても低い。

役員を除く女性の雇用者数は第2次安倍政権発足後の13年から19年の間に1割増えたものの、増加した300万人超の半数以上は非正規が占める。新型コロナウイルスの感染拡大後、男性よりも女性の雇用が打撃を受けたのもそのためだ。女性の雇用は相対的に不安定な状態が続く。

男女共同参画基本計画は00年に初めて策定して以来、5年に1回のペースで改定してきた。今回は21~25年の取り組み方針を示した。政治家や企業役員ら指導的地位に就く女性割合を「20年までに3割」という目標は03年に掲げ、05年の改定時に盛り込んでいた。

日本の出遅れには企業や政党による自主的な取り組みに委ね、実効性の高い制度づくりが十分でなかった背景がある。海外では北欧などを中心に経済協力開発機構(OECD)加盟の多くの国が、女性の政治家や役員の割合を一定以上にするクオータ制を導入する。

ノルウェーは03年、上場企業の取締役に占める男女比率をそれぞれ40%以上とし、従わない企業に解散を迫る法律を設けた。フランスなど欧州各国がそれに続いた。

日本は16年に女性の登用計画づくりを企業に義務付ける女性活躍推進法を本格施行。18年に男女の候補者数が均等になるよう政党に努力を求める「政治分野の男女共同参画推進法」も整備した。ともに罰則規定はない。

米テンプル大のリンダ・ハスヌマ教職振興センター副所長は「日本はクオータ制を1回の選挙だけでも導入すべきではないか」と提案する。「1回だけでも導入すれば社会での女性の指導的役割の拡大につながるとの研究がある」とも指摘する。

子育て環境の壁もある。19年度に育児休業を取得した男性の割合は7%にとどまった。17年施行の改正育児・介護休業法で男性も最大2年間の育休を可能とする制度を整えたが活用は進まない。

5年ごとに実施する社会生活基本調査の16年調査によると、6歳未満の子をもつ夫の育児時間は1日49分と妻の3時間45分に比べ短い。育児や家事の負担の偏りが女性活躍の推進を妨げているとの見方はある。

政府は男性の育休取得を促す関連法案を来年1月召集の通常国会に提出する。企業が従業員に育休制度を周知するよう義務づける。菅義偉首相は「男性が積極的に育休を取得し『イクメン』が当たり前になることが不可欠だ」と話す。

早大の谷口真美教授は「政府も企業も、女性指導層が少ない原因を女性側の問題と捉え、男性のキャリアを含む雇用の仕組みの抜本的な改善を怠ってきた」と話す。

米欧では優秀な社員が他国に引き抜かれないよう、企業が女性を含めた多様な人材を確保する雇用システムを築く。谷口氏は「日本企業も世界の人材獲得競争で後れを取っているとの自覚が必要だ」と強調する。

新たな計画では政治の分野で「率先垂範してあるべき姿を示す必要がある」と明記した。国会議員の女性候補者を25年に35%に引き上げる目標も示した。

17年衆院選は17%、19年参院選は28%だった。「政府が政党に働きかける際に念頭に置く努力目標」との位置づけにとどまり、実効性は担保されていない。

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