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【働き方キャリア相談】 教育訓練支援が重要に

【福岡/北九州/働き方キャリア相談】 教育訓練支援が重要に

新型コロナウイルスの感染拡大下で労働力の移動が停滞している。企業は政府が上乗せした雇用調整助成金を使って雇用を維持し、内部に抱え込む過剰雇用は一時600万人を超えるまでに膨らんだ。失業の急増を食い止めた半面、成長産業への人材供給は進まない。

11月の完全失業率は2.9%と5カ月ぶりに低下した。2%台は主要国で突出して低く、リーマン・ショック後の09年7月に記録した5.5%も大きく下回る。

新型コロナの感染拡大が繰り返される中での好転に「予想外の改善」(SMBC日興証券)と驚きの声も上がった。それでも先行きを楽観視するエコノミストや市場関係者はほぼいない。

内閣府の推計によると4~6月期に製造業は212万人、非製造業は428万人の過剰な雇用を抱えた。夏以降に改善してはいるが、飲食サービス業などは1人あたりの労働時間が前年水準に戻っていない。今なお十分に働くことができていない状況がうかがえる。

IT(情報技術)関連など人手不足の成長産業への人材の流れも細い。国内の転職者は7~9月期に325万人と前年同期比10.7%減り、通年でも10年ぶりに減少する見通しだ。第一生命経済研究所の永浜利広氏は「雇調金が労働移動を阻んだ面がある」という。

それでも政府は15日に決めた第3次補正予算案に雇調金の上乗せの延長を盛り込んだ。外出や営業の自粛要請がもたらす経済への打撃を恐れ、雇用政策の軸足を移動よりも維持に置いたままだ。

「行き過ぎた雇用維持型から労働移動支援型へと大胆に転換する」。9月まで続いた安倍晋三政権は雇用政策の転換を宣言したことがある。自民党の政権復帰直後の13年に示した成長戦略だ。具体策として、解雇する社員の再就職支援などに取り組む企業への労働移動支援助成金の予算を一時は雇調金以上にした。

同助成金は国会で「リストラ支援」と批判を浴び、政府は再就職が成功した場合に限って支給する制度に変えた。使い勝手は悪くなり、実績は伸び悩んだ。政府は労働力移動を後押しする有効な政策を用意できないまま新型コロナを迎えた。

コロナ禍の前まで雇用は安定し、失業率は一時2.2%まで低下したが代償も大きかった。労働生産性の低い仕事に人が張り付き、日本の1人あたりの生産性は19年時点で経済協力開発機構(OECD)加盟37カ国の26位と低位にとどまる。

外出を控え「密」を避ける消費行動が続けば、飲食や観光などの対面型サービスの雇用が元に戻るのは難しい。今後の伸びが期待できる産業に人材が移るよう、障害をなくす努力が欠かせない。

柳川範之東大教授は「労働者本人への支援が必要ではないか。教育訓練給付金や専門実践教育訓練給付金などは金額が少なく本格的なリカレント教育(社会人の学び直し)には不十分だ」と政策の弱点を指摘する。

日本の正社員で公的助成付きの自己啓発を使った人は17年時点で2.6%にとどまる。スウェーデンは成人も公教育を無償で受けられる。デンマークも様々な成人教育プログラムを設けている。政府が掲げる「失業なき労働移動」に向けて打つべき対策はまだ多い。

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