発達課題とトランジション
①社会からの要請である発達課題とトランジション
スーパーの発達段階説によれば、人生は5つの発達段階に分けられ、各段階は、そこでの主要な発達課題を意味する言葉である、「成長」、「探査」、「確立」、「維持」、「解放」と名付けられている。
たとえば、青年期の若者が自分の能力や興味に合った仕事を「探索」するということは、社会的な要請であり、彼らにとっての発達課題である。
それでは発達課題に対処できているとは、どのような状態であろうか。
スーパーによれば、それは、社会のなかで学生として、あるいは職業人や退職者として、よりよく機能し主体的に行動できており、また次の段階で予測される発達課題に取り組むための基礎的態度・能力が準備できている状態のことである。
さらにスーパーはトランジションを、ある段階から次の発達段階への「移行」として捉え、この移行時にミニ・サイクルをまわすことが、次の段階に適切に進む上で重要であるとしている。
社会環境が激しく変化する今日では、それぞれの発達段階の間にあるとされたトランジションは、各発達段階のなかにおいても起こりうるものであり、また予測が困難な変化をともなって生じると、サビカスは主張している。
したがって、ある状態から別の状態へ移行するという意味をもつトランジションは、「連続的で予測できる変化」だけでなく、「不連続で予測困難な変化」も含んだものとなっている。
そしてトランジションに際して、ミニ・サイクルすなわち「成長」「探索」「確立」「維持」「解放」という一連のサイクルを進めていけるならば、人々は変化している環境や予測できない状況に適応し発達していくことが可能となるのである。
そして、この適応サイクルともいうべきミニ・サイクルについて、サビカスは次のように述べている。
「個人がトランジションに際して、変化を通じて『成長』できるという気づきをもち、意思決定をするために自己や職業に関する情報を『探索』し、様々な行動を試みることによって安定した仕事を『確立』し、積極的にその仕事の役割を『維持』する。そして最後には、さらなる成長をめさして自発的に仕事を、変わる準備をするために(場合によっては、組織の変化による不本意な仕事への準備をするために)、今の仕事へのかかわりを『解放』していく、といったアプローチで変化に対処するならば、個人はさらに効果的に適応することができる」
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引用文献
新版キャリアの心理学
渡辺 三枝子 編著
ナカニシヤ出版