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キャリアカウンセリングへの応用(クランボルツ・計画された偶発性理論)

キャリア・カウンセリングへの応用

SLTCDMは、すでに生じたキャリア・パスについての説明はできても、これからキャリアをどのように形成していったらよいのかといった問題を抱えたクライエントを援助するには不十分であると考えたクランボルツは、LTCCを提唱した。LTCCでは、キャリア・カウンセラーがどのようにクライエントを援助するかについてについての理論である。

❶クライエントが対処しなければならない動向

1980年代からアメリカ社会で吹き荒れた産業構造の再構築の影響を受けて、クランボルツは、クライエントが対処しなければならない現代社会の動向を4点指摘した。これらをいかに紹介するが、現代の日本においても、アメリカ同様の産業構造の変化と経済成長の低下が起きており、日本におけるキャリア・カウンセリングにおける前提としても意味あるものと思われる。

1.クライエントは、すでにある特性に基づいた意思決定ではなく、自分の能力や興味を広げていく必要がある。

2.クライエントは、職業が安定したものであると思い込むのではなく、変化し続ける仕事に対して準備をしなければならない。

3.クライエントは、診断を下されるのではなく、行動を起こすように勇気づけられる必要がある。

4.キャリア・カウンセラーは、職業選択のみだけでなくキャリア問題全般を扱う上での援助において主たる役割を担う必要がある。

❷キャリア・カウンセリングの目標

LTCCにおいては、キャリア・カウンセリングの目標を次のように述べている。

「現在クライエントが有している興味・価値・能力にマッチした職業を見つけることではなく、変化し続ける仕事環境において満足のいく人生をクライエントが作り出していけるようにスキル・興味・信念・職業習慣、個人特性に関する学習を促進させること」。

ここで、クランボルツが強調するのが「学習」という概念である。
なぜなら、クライエントがキャリア問題において混乱している場合の多くは、直面している問題がこれまでのスキルや興味を越えている場合であるからである。そして、今までの行動ではその問題が解決できない場合が多いからである。
そこで、キャリア・カウンセラーは、クライエントの「新しい学習」を促す役割を担うのである。そして、アセスメントはマッチングのためではなく、「新しい学習経験」を作り出すために用いられるべきだと考えられている。
たとえば、「新しい学習経験」の妨げとなっている信念(belief)を測定するために「Career Beliefs Inventory」を用いる。価値やパーソナリティもアセスメントの対象となるが、いずれも学習経験によって変容可能である、と考えている点が特徴的である。

❸キャリア・カウンセリングの介入方法

キャリア・カウンセラーは、クライエントの新しい学習を促進させることを目的とすることは前述したが、その際に用いる介入方法には①発達的・予防的介入と②治療的介入の2つがある。

①発達的・予防的介入

すべての人が何らかの形で「働く」以上、キャリア問題はすべての人にとっての問題であろう。そうであるならば、多くの人がキャリア問題に直面しそうなタイミングにおいて、教育プログラムや予防プログラムを提供することが必要となる。
具体的には、キャリア教育や、学校から産業界への移行をスムーズにするためのインターン・シップ制度や就職活動をともにするジョブ・クラブ・プログラムなどがあげられる。特に、実際の仕事を経験することのできるインターンシップは日本でも行われており、学生がシミュレーションによって実際の仕事状況を理解するための貴重な機会を提供している。

②治療的介入

発達的・予防的介入が、多くの人が直面するであろうキャリア問題に共通の介入方法であるのに対して、治療的介入はある個人に特定のあつらえられた介入となる。治療的介入には認知的介入と行動的介入の2つある。
認知的介入には、目標の明確化、認知再構成、問題のある信念への直面化、認知リハーサル、ナラティブ分析、読書療法などがある。
行動的介入には、ロール・プレイング、脱感作などがある。

❹計画された偶発性(planned happenstance)

クランボルツLTCCを改訂し、計画された偶然性理論(planned happenstance theory)を1999年に提唱した。

計画された偶発性理論では、従来のカウンセリング理論では望ましくないものと考えらてきた「未決定」を望ましい状態と考え、クライエントが偶然の出来事を作り出し、認識し、自分のキャリア発達に組み入れていけるように支援することがキャリア・カウンセリングの目標である、と考えられている。さらに、計画された偶発性理論の立場からキャリア・カウンセラーへのアドバイスとして次の5点があげられている。

①想定外の出来事がキャリアに影響を及ぼすことは普通のことであり、かつ当然のことであること、そして望ましいことであることを認識しなさい。

②未決定を治療すべき問題として捉えるのではなく、用意周到なオープンマインドな状態とみなしなさい。その状態は思いがけない未来の出来事をクライエントが利用することを可能にする。

③新しい活動を試みたり、新しい興味を開発したり、古い信念に疑問を呈したり、生涯にわたる学習を続けるための機会として、想定外の出来事を利用する方法をクライエントに教えなさい。

④将来、有益な想定外の出来事が起こりやすくなるように行動をはじめることをクライエントに教えなさい。

⑤クライエントがキャリアを通して学習できるよう継続的な支援をしっかり提供しなさい。

さらに、クランボルツは2009年にハップンスタンス学習理論(happenstance learning theory)を提唱し、個人個人が人生を通してたどるそれぞれの道がどのようになるのか、そしてそれはなぜなのか、を説明しようと試み、キャリア・カウンセラーがそのプロセスを促進する方法について言及した。そして、次の4つの命題を提示している。

①キャリア・カウンセリングの目標はさらに満足できるキャリアや個人的な生活に到達するための行動をクライエントがとれるようになることを支援。

②キャリア・アセスメントは個人の特性と職業の特性をマッチングするために用いるのではなく、学習を促すために用いられるのである。

③クライエントは有益な想定外の出来事を作り出す方法として、探索的な行動に携わることを学習する。

④キャリア・カウンセリングが成功したかどうかは、キャリア・カウンセリングのセッションの外にある現実の世界でクライエントが何を成し遂げたかによって評価される。

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引用文献
新版キャリアの心理学
渡辺 三枝子 編著
ナカニシヤ出版

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