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労働法規に関する理解 4

7 パートタイム労働法(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律)

①事業主が、パートタイム労働者を雇い入れたときは、「昇給の有無」、「退職手当の有無」、「賞与の有無」、「パートタイム労働者の相談窓口」を文書の交付等によって明示すること(法6条)。

②事業主が、職務の内容、退職までの長期的な人財活用の仕組みや運用などが、通常の労働者と同じパートタイム労働者に対して、その待遇について差別的に取り扱うことの禁止(法9条)。

③賃金(基本給、賞与、役付手当等)は、パートタイム労働者の職務内容、成果、意欲、能力、経験などを勘案して決定するよう努めること(法10条)。

④パートタイム労働者に対し、通常の労働者への転換試験制度や募集の周知を講じなければならない(法13条)。

*2020年4月1日(中小企業は2021年4月1日)より「パートタイム・有期雇用労働法」が施行される。
短時間労働者に加え、有期雇用労働者についても法律の適用対象になる。
これは「正社員との間の均等・均衡処遇の推進に関しては、短時間労働者と有期雇用労働者をワンセットで捉えていくべきである」との考え方によるもので、2016年12月に公表された「同一労働同一賃金ガイドライン案」で採用されている。

8 労働者派遣法

❶派遣禁止業務
以下の業務に関しては、労働者派遣をおこなうことが禁止されている。(法4条1項、令2条)
①港湾運送業務 ②建設業務 ③警備業務 ④医療関係業務
④医療関係業務については、紹介予定派遣の場合、産前産後休業や育児休業等を取得する労働者の代替要員の場合、政令で定めるへき地に派遣する場合など、一定の場合には、派遣が認められる。

❷紹介予定派遣について
紹介予定派遣は、派遣契約終了後、派遣先に正規労働者として雇用されることを予定するもの。(法2条4号)

①求人条件の明示、求人・求職の意思確認および採用内定が可能
②派遣就業開始前に派遣労働者を特定するための面接、履歴書の送付が可能
③同一の派遣労働者について6か月を超える派遣の禁止
④派遣先が派遣労働者を雇用しない場合等の理由の明示
⑤医療関連業務については、紹介予定派遣に限り派遣可能

❸派遣受入期間の制限
2015(平成27)年法改正(2015年9月30日施行)により、従来の政令26業務とそれ以外の区分が廃止され、以下のような基準が適用されている。
〈事業所単位の制限〉
派遣先は、当該派遣先の事業所その他の派遣就業の場所ごとの業務について、派遣元事業主から派遣可能期間(3年)を超える期間継続して労働者派遣労働者派遣の役務の提供を受けることができない(法40条の2第1項本文・第2項)。
上記の例外として、派遣先は、派遣就業の役務の提供を受けようとするときは意見聴取期間に、過半数労働組合(または過半数労働者)の意見を聴いて、3年を限り、派遣可能期間を延長することができる(法40条の2第3項・第4項)。→その後の延長についても同様
〈個人単位の制限〉
派遣元事業主は、派遣先の事業所その他派遣就業の場所における組織単位ごとの業務につき、3年を超える期間継続して同一の派遣労働者にかかる労働者派遣を行ってはならない(法35条の3)。

❹キャリアアップ措置
派遣労働者は、正規雇用労働者に比べ職業能力形成の機会が乏しいという現状を踏まえ、2015(平成27)年法改正では、派遣労働者のキャリアアップ支援が義務付けられた。
派遣元事業主は、雇用している派遣労働者のキャリアアップを図るため、
・段階的かつ体系的な教育訓練
・希望者に対するキャリアコンサルティング
を実施する義務がある。
〈教育訓練〉
実施内容
①実施する教育訓練がその雇用するすべての派遣労働者を対象としたものであること。
②実施する教育訓練が有給かつ無償で行われるものであること。
③実施する教育訓練が派遣労働者のキャリアアップに資する内容のものであること。
④派遣労働者として雇用するに当たり実施する教育訓練(入職時の教育訓練)が含まれたものであること。
⑤無期雇用派遣労働者に対して実施する教育訓練は、長期的なキャリア形成を念頭に置いた内容のものであること。
時期・頻度・時間数等
①派遣労働者全員に対して入職時の教育訓練は必須であること。キャリアの節目などの一定の期間ごとにキャリアパスに応じた研修等が用意されていること。
②実施時間数については、フルタイムで1年以上の雇用見込みの派遣労働者一人当たり、毎年概ね8時間以上の教育訓練の機会を提供すること。
③派遣元事業主は上記の教育訓練計画の実施に当たって、教育訓練を適切に受講できるように就業時間等に配慮しなければならない。

❺非正規雇用の現状と正社員転換・待遇改善

総務省「労働力調査」によると、全雇用者(役員を除く)における非正規雇用労働者の割合は、37.5%(2015(平成27)年平均)に達している。一方、正規雇用労働者は、2014(平成26)年までの間に緩やかに減少していたが、2015(平成27)年については8年ぶりに増加に転じた。非正規雇用労働者は、正規雇用労働者に比べ、賃金が低いという課題がある。
〈正社員転換・待遇改善実現プラン〉
厚生労働省では「正社員転換・待遇改善実現本部」の第2回会合(2016(平成28)年1月28日)にて、今後5カ年の非正規雇用労働者の正社員転換や待遇改善のためのさまざまな取組を「正社員転換・待遇改善実現プラン」として決定した。
計画期間:2016年4月~2020年3月の5カ年
主な目標:「不本意非正規卒業者の正社員就職の割合(全体平均):10%以下(2014年平均:18.1%)、新規大学卒業者の正社員就職の割合:95%(2015年3月卒:92.2%)、新規高校卒業者の正社員就職の割合:96%(2015年3月卒:94.1%)待遇改善として正社員と非正規雇用労働者の賃金格差の縮小を図る。」

❻同一労働同一賃金ガイドライン

同一企業・団体における正社員(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(パートタイム労働者・有期雇用労働者・派遣労働者)という雇用形態に関わらない均衡待遇を確保し、同一労働同一賃金の実現に向けて策定されたガイドライン。
基本給、昇給、ボーナス、(賞与)、各種手当といった賃金にとどまらず、福利厚生やキャリア形成・能力開発等についても記載されている。このガイドラインに記載がない退職手当、住宅手当、家族手当等の待遇や、具体例に該当しない場合についても、不合理な待遇差の解消等が求められている(2016年12月公表)

9 職業能力開発促進法

職業能力開発促進法は、職業訓練、職業能力検定の内容の充実強化とその実施の円滑化のための施策、ならびに労働者自ら職業に関する教育訓練、または職業能力検定を受ける機会を確保するための施策等を総合的・計画的に講ずることにより、職業に必要な労働者の能力を開発・向上させることを促進し、もって、職業の安定と労働者の地位の向上を図るとともに、経済および社会の発展に寄与することを目的として、1985(昭和60)年に誕生した。

〈2018(平成30)年法改正2019(平成31)年4月1日施行〉
職業能力開発推進者を「キャリアコンサルタント等の職業能力開発推進者の業務を担当するための必要な能力を有する者」から選任するものと規定された。
事業主は雇用する労働者の職業能力の開発・向上の段階的かつ体系的に行われることを促進するため、「事業内職業能力開発計画」を作成するとともに、その実施に関する業務を行う「職業能力開発推進者」を選任するよう努めることと規定されている。(法11・12条)。

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