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精神障害の基礎知識

キャリアコンサルタント学科試験対応 精神障害の基礎知識

キャリアコンサルタントに寄せられる相談内容は職務上の問題であったとしても、その奥にさまざまなストレス、あるいは家庭内のストレスなどを抱え、精神的不調を訴えるケースがある。
また反対に、精神的不調から職務上の大きな問題を抱えてしまうこともある。
どのような人が相談に来るかわからない現場であるから、最低限の精神医学が必要になる。
もちろん、キャリアコンサルタント自身が心の病の治療を行うわけではなく、医療行為に該当する行為は禁じられている。
例えば、「社内で他の部門に移りたい」といった相談に来られたクライエントに心の病が疑われる場合には、早めに医師、セラピスト、心理カウンセラーなどにリファー(自分の守備範囲を超えるものに関して、関係諸機関に依頼すること)することが肝心である。

キャリアコンサルタントは、クライエントの訴えをよく受け止めながらうまく質問を行って情報を依頼し、専門家を紹介できる程度には病状を理解できなくてはならない。
①日常生活(社会生活、家庭生活)に支障をきたしているか?
②幻聴や妄想などの病的体験があるか?
③本人に病識はあるか?
などの観点から可能性を吟味し、さらに厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」で、様々な症状についての知識を得ておくことが大切である。

(1)心の病気の原因と見立て
はじめから精神的不調の原因が心理的なものであると決めつけるのは大変危険なことである。
現在は脳の解明も進み、神経伝達物質(脳内物質)のアンバランスが原因とされる心の病気もあり、そのような病気に対しては、薬物治療が効果をあげている。
ただし、薬物治療にのみたよるのではなく、場合によっては心理カウンセリングも使用される。

❶原因による分類

・内因性精神障害
精神疾患の発症が、主に遺伝や生まれもった体質(器質)、素質による脳の機能障害に起因していることが原則[原因不明]
・・・うつ病、統合失調症など
・心因性精神障害
適度のストレスやトラウマ、ある種の性格傾向など心理的な問題が疾患の主な要因となっていること[ストレス反応]
・・・適応障害、パニック障害、睡眠障害
・外因性精神障害
外部から加えられた原因として、身体的な疾患や負傷、障害、外的刺激などが、精神疾患の主な発症要因となっていること[交通事故等]
・・・認知症、アルコール・薬物依存症

しかし、これらは実際には、いくつかの原因が重なり合っていることも多い。
なお、精神科の臨床現場では、アメリカ精神医学会によるDSM、または世界保健機構(WHO)によるICDという統計に基づく診断マニュアルによって診断(見立て)が行われる。

❷内因性精神障害
・うつ病(気分障害
自殺予防の観点からも職域で最大の課題となっているのが「うつ病」対策である。
うつ病とは
・「気分がめいる、落ち込む」「元気が出ない」などと表現される抑うつ気分が出現
・何事にも興味や喜びを示さなくなる
・著しい体重減少または増加
・不眠や過眠
・何かしようとする意欲がなくなる
などが、いくつか重なり合った状態をいう。
周囲が気づくことのできる変化としては、朝起きられない、夜眠れない、遅刻が多くなる、仕事の能率が低下する、食欲不振・性欲減退、溜息をつく、涙もろくなる、自殺願望をほのめかす、などがあげられる。

「うつ病」の治療方法は、基本的に、休養(安静)と薬の服用
場合によって認知行動療法などの心理療法も行われる。
これらによって、うつ病は治る病気である、とされている。
反対に、怠けているだけではないかと本人を責めるのはもちろんのこと、「頑張れ」、「あなたならできる」などの励ましは禁忌であり、注意が必要である。
キャリアコンサルタントは、本人の話をよく聞くとともに家族や同僚と連絡をとりながら、専門医につないでいくよう努めるべきである。

・統合失調症(旧精神分裂病)
統合失調症とは、主として10代後半~20代前半の思春期、青年期に発症し、人格、知覚、思考、感情、対人関係などに障害をきたす原因不明の脳の疾患である。
幻覚・妄想(陽性症状)などの激しい症状が見られたり、一方では、無為・自閉(陰性症状)などから、人との交わりを避け、引きこもるなどの極端な状態に陥ったりすることもある。
治療は薬の服用や、グループによるリハビリテーションが基本とされている。

❸心因性精神障害
・適応障害
適応障害とは、日常生活上・社会生活上の出来事、例えば入学や就職、病気や障害を持ったことなど、どのようなことであれ、あるストレスに対して不適応状態が生じることをいう。
抑うつ、不安焦燥などの情緒的な症状、不眠、食欲低下、倦怠感などの身体症状が出現する。
治療は、症状に対して薬物療法を行うが、根本的な解決方法はない。
ストレスに対する適応力をつけることが必要である。

・パニック障害
パニック障害は、パニック発作と予期不安からなる。
パニック発作とは、めまい、動悸、発汗、息切れ等の身体症状とともに、このまま死んでしまうのではないかと思うほどの強い不安と恐怖に襲われることをいう。
また、予期不安とは”またパニック発作が起きたらどうしよう”と思う予期的な不安感のことである。これによって外出ができなくなったりして、日常生活に支障をきたすようになる。
治療は薬の服用とともに、認知行動療法がよく用いられる。

・睡眠障害
睡眠に何らかの問題がある状態をいう。不眠の原因には、環境や生活習慣によるもの、精神的・身体的な病気から来るもの、区知りによってい起こされるものだとさまざまである。
睡眠障害には不眠だけでなく、睡眠のリズムが乱れて戻せない状態など、多くの病気が含まれる。
薬物療法や睡眠習慣の見直しを行い、治療していく。

❹外因性精神障害
・認知症
正常に働いていた脳の機能の低下し、記憶や思考への影響が見られる病気。
初期症状は、加齢による単なる物忘れに見えることが多い。
しかし、憂鬱、外出を嫌がる、気力がなくなった、被害妄想があるなどが見られるようになる。
残念ながら、現在の医療では認知症を完全に治す治療法はない。
薬物療法により、できるだけ症状を軽くし、診療の測度を遅らせることが現在の治療目的とな。
早期発見、早期治療が望まれる。

・アルコール依存症
大量のお酒を長期にわたって飲み続けることで、お酒がないと居られなくなる状態をアルコール依存症という。
アルコール依存症であることをなかなか認められないことから”否認の病気”とも呼ばれている。
治療は入院治療が主体である。
精神療法では飲酒問題の現実を、自助グループでは同じ境遇の方々と断酒継続の交流を行い、断酒への意思を強くしていく。

❺その他の精神障害
・パーソナリティ(人格)障害
パーソナリティ障害とは、気質や性格に著しい偏りが見られ、一般の人には見られない考えや行動をとるため、生活や仕事に支障をきたし、社会不適応状態が持続している状態をいう。
治療では、精神療法やカウンセリング、薬物療法が行われる。

・発達障害
発達障害は、生まれつき脳の発達が通常と違っているために、幼児のうちから症状が現れ、通常の育児ではうまくいかないことがある。
だが、その特性を本人や家族・周囲の人がよく理解し、その人に合ったやり方で日常的な暮らしや学校や職場での過ごし方を工夫することが出来れば、持っている本来の力がしっかりと生かされるようになる。
発達障害のさまざまなタイプ
・自閉症スペクトラム障害
相互的な対人関係の障害、コミュニケーションの障害、興味や行動の偏り(こだわり)の3つの特徴がある。
・学習障害(LD)
一般に知的な遅れはみられないものの、読む・書く・計算するなどといった学習にかかわる機能のうち、どれかに障害や遅れが見られることをいう。
・注意欠如・多動性障害(ADHD)
発達年齢に見合わない多動・衝動性、あるいは不注意、またはその両方の症状が7歳までに現れる。

⑥その他
以下の2つは精神障害ではないが、職場などでさまざまな身体的・心理的ストレス(反応)を引き起こしやすいある種の性格傾向(ライフ・スタイル)の持ち主、あるいは、その持ち主陥りやすい状態となる。
・タイプA行動パターン
タイプA行動パターンとは、常に時間に追われ、競争的で完全主義的な行動特性を持つ。
狭心症や心筋梗塞が起こりやすい。
自分の感情を言葉にして表出することができない場合、情動が専ら身体症状という形で出現しやすいのが特徴。

・燃え尽き症候群
医師、教師、看護師などの専門職に多いとされている。
職場要因として個人の能力を超えた仕事、相応の評価や達成感が得られないこと、不十分な研修、不適切なリーダーシップなどがある。
症状として、不安、イライラ、自尊心の低下などの情緒面の変化と心身症症状出現する。

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