半構成的なグループ・アプローチ
1.はじめに
会社での会議や打ち合わせ、学校での話し合いなど、あるテーマに関して、集団で討議して結論を出すという場面を私たちはたびたび体験する。
また、キャリア形成支援に関する研修でも、キャリア形成に関するテーマに関して、グループで議論し、そのテーマについて、より深く理解することをめざす場合がある。
このような方法をグループ・ディスカッションと呼ぶことができるだろう。
半構成的なグループ・アプローチは、形式上、グループ・ディスカッションに似ている。
しかし、ラボラトリー方式の体験学習の観点から、半構成的なグループ・アプローチとグループ・ディスカッションとの異なる点を指摘するならば、半構成的なグループ・アプローチでは、話し合いの中身、つまり何が話されたか(コンテント)についてだけでなく、その話し合いがどのようになされたか(プロセス)にも焦点を合わせる、という点を挙げることができる。
半構成という言葉は、非構成と構成の中間的な位置づけにあることを示す。
非構成的なグループ・アプローチは、人と時間と場所だけがあらかじめ決まっている。
構成的なグループ・アプローチでは、情報カードを用いた問題解決実習などのような参加者が取り組む課題内容が、ファシリテーターから提示される。
それに対して、半構成的なグループ・アプローチでは、話し合うテーマはあらかじめ決められているが、それ以外に事前の決まりごとはほぼなく、話し合いをどのように進めていくかはグループメンバーに委ねられている。
つまり、半構成的なグループ・アプローチは、①非構成的なグループ・アプローチと構成的なグループ・アプローチとの中間的な形式で行われる、②コンテントだけでなく、プロセスにも焦点を合わせたグループワークであるということができる。