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個別学習相談による診断と支援

個別学習相談による診断と支援

心理学を生かした個別学習相談を通じて、学習者の自立を支援する試みとして、「認知カウンセリング」と呼ばれる実践的研究活動が行われている。
今回は、この活動を紹介し、「どうすれば学習者の自立を支援することができるのか」という問題について、心理学の視点から具体的に考えていく。
また、認知カウンセリングの実践からは、こべつがくしゅう個別学習指導を超えて、基礎研究や集団での指導にも利用しうるような知見が得られている。
そこで、心理学を踏まえた個別学習相談の展開可能性について論じる。

1.心理学を生かした個別学習相談:認知カウンセリング
(1)認知カウンセリングとは?

心理学を生かした個別学習相談として「認知カウンセリング」(市川、1989)と呼ばれる実践的研究活動が行われている。

(2)認知カウンセリングにおける指導の流れ

まず、悩みを抱えた学習者(クライエントと呼ばれる)が来談し、相談者(カウンセラーと呼ばれる)が心理学を生かしながらていねいに診断する。
この際、クライエントが持参した問題をわかりやすく教えるのみならず、なぜそうしたつまずきが生じたのかについてもていねいに分析する。
次に、診断を踏まえて、指導方針を立てる。
この時、カウンセラーはつまずきの原因と考えられる点や指導方針についてクライエントと共有することが多い。
つまずきの原因や対処法を学習者自身にも自覚してもらうことで、最終的には自らのつまずきをコントロールする力を養おうとしている。
実際に指導するにあたって、つまずきの原因が学習方略学習観にも及んでいることもある。
この場合には、具体的な内容を教えるのみならず、学習方略学習観についても見直すことになる。
さらに、認知カウンセリングの指導修了後には、事例についてのケースレポートを作成して持ち寄り、相互に検討し合う「ケース検討会」を行っている。
どのような方針を立て、どのように指導したかをもち寄り、具体的な対話記録も交えながら検討する。

(3)認知カウンセリングが重視していること:傾聴・共感・自立支援

まず、心理カウンセリングとは異なるものの、カウンセリングマインドを生かしながらの指導であり、「傾聴」・「共感」が重視されている。
クライエントが抱える難しさに共感し、なぜ難しいのと感じているのかをていねいに聞き取ることによって、次にそれを指導する際の貴重な情報となるのみならず、「このカウンセラーにはわからないことも安心して話ができる」という信頼関係の醸成にもつながる。
さらに、より重要な点として、「自立支援」をめざす点が挙げられる。
認知カウンセリングでは、心理学の知見を生かしながらいかに挙げるような視点から診断・指導を行う。
・知識・技能に問題はないか?
・学習方法(学習方略)に問題はないか?
・勉強に対する考え方(学習観)に問題はないか?

心理学では「知識」という言葉が広い意味で使われている。
「~とは・・・である」という形で表現できる概念など、言語化しやすい概念知識(宣言的知識)のほかに、泳ぎ方、計算の仕方、楽器の演奏の仕方など言語化しにくいやり方に関する知識(手続き的知識)についても知識ととらえる。
まずは、こうした点に問題がないかを診断し、必要があれば指導する。
ただし、自立支援という観点からは、2つ目、3つ目が重要となる。
なぜ、そうした知識のつまずきが生じてしまったのかを日々の学習方法(心理学では学習方略と呼ばれる。)の問題までさかのぼって診断し、指導につなげることで、次に同じつまずきが生じることを防いだり、つまずきが生じても対処する力を身につけさせようとするわけである。
さらにこうした不適切な学習方法をとってしまう背景には、学習観が偏っていることにも目を向ける。
認知主義的学習観
意味理解志向
思考過程重視志向
方略志向
失敗活用志向

非認知主義的学習観
丸暗記志向
結果重視志向
練習量志向
環境依存志向

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