スタッフブログ
blog

非構成と構成との中間的位置づけとしての半構成的なグループ・アプローチ

非構成と構成との中間的位置づけとしての半構成的なグループ・アプローチ

3.キャリアコンサルタントがキャリア形成支援に関する研修において、半構成や構成的なグループ・アプローチを実施することことはあっても、非構成的なグループ・アプローチを行うことはほとんどないだろう。
とはいえ、ロジャースが、計画的に作らられた集中的グループ経験は、今世紀(20世紀)最も急速に拡大している社会的発明、おそらく最も将来性のある発明であろうと述べているように、非構成的なグループ・アプローチの特質についても、知っておくことは有用である。
これらの点について、ラボラトリー方式の体験学習やエンカウンターグループ(EG)を中心に論を進めていく。

まず、構成的なグループ・アプローチと非構成的なグループ・アプローチの特徴を比較する。
野島(1989)は、研修型の構成型EGと非構成型EGを比較し〈グループ構成〉の仕方について両者は、
①自己との出会い、他者との出会い、深くて親密な関係の体験という目標
②スモール・グループの作り方
③スモール・グループの固定
④場所という点は共通しているが、
❶ファシリテーターの数
❷日程、セッションの時間という点では異なり、
〈ファシリテーション〉については、
①安全な雰囲気づくり
②自発性の尊重
③リーダーシップの配慮の仕方・関わりがかなり違い、それぞれに特徴がある、と述べている。

構成的なグループ・アプローチ
長所
・狙いが明確に、焦点化されているプログラムであるため、ねらいに関するメンバーの学びが生じる可能性が高い
・少数のファシリテーターで、多数のメンバーに対する研修を実施できる
・2時間程度の短時間の研修が可能である
短所
・非構成的なグループ・アプローチに比べて、深い自己成長・相互成長は生じにくい

非構成的なグループ・アプローチ
長所
・深い自己理解・他者理解・相互理解、自己成長・相互成長が生じる可能性がある
・グループの成長を体験的に実感できる可能性が高い
短所
・1グループあたり、メンバー10名程度、ファシリテーター2名が適切な構成となるため、メンバーに対するファシリテーターの人数比は、構成的なグループ・アプローチに比べると大きくなる
・2時間程度の短時間での実施は困難であり、2泊3日~5泊6日程度の研修期間が必要となる

非構成的なグループ・アプローチと半構成的なグループ・アプローチとの相違点は、話の展開やそこに生じるプロセスに関して、メンバーに委ねられている分が大きいということである。
ファシリテーターは、必要であると考えれば、自らの意図に従って、グループプロセスに介入することができるが、基本的には、メンバーの意思や気持ちが尊重され、それを中心にグループは展開していく。
このような重要な類似点があるため、半構成的なグループ・アプローチのファシリテーターは、非構成的なグループ・アプローチを体験しておく必要がある。
半構成的なグループ・アプローチに比べて、より深く、豊かな体験や気づきが生じる可能性の高い非構成的なグループ・アプローチ体験することを通して、非構成的なグループ・アプローチではどのようなプロセスが生じるのかを体験的に知ることができる。
そして、自らの体験を通して、どのようなファシリテーターの介入が、グループプロセスやメンバーの関係性やメンバー個人の成長を尊重し、促進するのか、また、どのような介入がそれらを阻害するのかを知ることができる。

最後に、半構成的なグループ・アプローチ有用性と限界について、考えていきたい。
森園・野島(2006)は2泊3日の集中合宿形式の半構成方式による看護学生対象の研修型EGについて、その有用性と限界を報告している。
この研究がなされた半構成的なグループ・アプローチでは、1時間30分のセッションが7回行われ、小グループのメンバーは固定であった。
各セッションで異なるテーマがファシリテーターから提示された。
テーマは、「私の進路を巡る過去・現在・未来」「友人・異性・仲間」「家族」であった。
このEGでは、一つのセッションで、全員が発言する機会が与えられるという構造が設けられた。
そして、半構造方式の有用性として
①メンバーにとって身近なテーマがあらかじめ決められていることによって、メンバーがわりとスムーズにグループになじみ、早い段階から率直な自己開示が行われたこと
②その結果、安心感をもってグループが展開していったことなどを挙げている。
半構造方式の限界として
❶「全員が発言できる」ことが、「しなくてはいけない状況」になり、話してしまった後悔や不安を感じたメンバーがいたことを挙げている。
しかし、その危機性は、ファシリテーターから、話したくないことは話さなくてもいいなどの言葉をメンバーに伝えることによって、和らげられると考えられている
❷「自発性」「グループの発展」という点において、非構成的なグループ・アプローチほどの深まりは難しい。
しかし、確かにグループは動いており、少しずつ発展していったことを挙げている

①半日または1日の半構成的なグループ・アプローチの場合、森園・野島(2006)のEGに比べると、メンバーがグループの発展や成長、深まりを実感できる可能性はさらに低いだろう。
②しかし、メンバーにとっての身近なテーマについて話し合い、その話し合いのふりかえりを行うことによって、コンテント(テーマ)とプロセス(自分達のグループに生じた人間関係)の両方から学ぶことは十分に可能だろう。
③同じメンバーで数セッション繰り返す中で、テーマに関する自己開示やフィードバックgsんっされ、そこから自己の特徴や、お互いの共通性や多様性を実感できる可能性はあるだろう。
④一つのセッションで、できれば全員で発言できるとよいが、無理に話す必要はないことをファシリテーターが伝えることによって、侵襲性を減らし、安心・安全のな雰囲気の中で、メンバーが各自のペースで学んでいくことが可能であろう。
⑤そして、このグループの中での気づきや学びを、自分の現場や人生の中で活かしていくことができる可能性はあるだあろう。

お問い合わせはお気軽に!

ご不明・ご不安な点など、
何でもお気軽にお問い合わせください。

TEL: 093-981-0244 093-981-0244
営業時間: 10:00~19:00 不定休(カレンダー参照)