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習得の授業のデザイン 3

習得の授業のデザイン 3

3.「教えて考えさせる授業」による習得
(1)「教えて考えさせる授業」とは

1990年代は、それまでの教育が「偏差値教育」「教え込み・詰め込み」などと批判され、いわゆる「ゆとり教育」が浸透した時期であった。
当時の教育界は、「指導よりも支援」「自己発見をめざした問題解決型の授業」といった学習者中心主義に大きく傾き、「教える」とか「知識」という言葉自体が学校では使いにくくなった時期でもある。
こうした流れが「ゆとりの集大成」といわれる1998年の学校指導要領の改訂につながり、教科の授業時間や内容が大幅に削減されるに至る。
しかし、1999年から激しくなる「学力低下論争」によって、その流れに歯止めがかかり、文部科学省も学力向上策を積極的に打ち出し、2008年の指導要領改訂では、習得―活用―探求というバランスを重視した教育課程となったというのが大まかな流れである。
「教えて考えさせる授業」は、概念や手続きの意味理解を重視した「習得」の授業のスタンダードな設計原理であり、「教師からの説明」「理解確認」「理解深化」「自己評価」の4つの段階を踏まえて授業を構成するものである。
また、学年が上がれば、予習によって授業の概略を知り、疑問点を明らかにして授業に臨むことも奨励される。
つまり、授業の前半は、教師がていねいな説明と理解確認によって基礎知識の共有を図り、その先にやりがいのある理解深化課題を用意して、問題解決や討論を促す。
さらに、自分のわかったこと、まだわからないことを自己評価して表現する、という流れになる。

(2)どのように授業をつくるかー授業デザインと具体例

・「教える」の部分では、教材、教具、操作活動などを工夫したわかりやすい教え方をこころがける。
また、教師主導で説明するにしても、子どもたちと対話したり、ときおり発言や挙手を通じて理解状態をモニターしたりする姿勢をもつ。

・「考えさせる」の第1ステップとして「教科書や教師の説明したが理解しているか」を確認するため、子ども同士の説明活動や教え合い活動を入れる
これは、問題を解いているわけではないが、考える活動として重視する。

・「考えさせる」の第2ステップとして、いわゆる問題解決部分があるが、ここは、「理解深化課題」として、多くの子どもが誤解していそうな問題や、教えられたことを使って考えさせる発展的な課題を用意する。
小グループによる協同的問題解決場面により、参加意識を高め、コミュニケーションを促したい。

・「考えさせる」の第3ステップとして、「授業でわかったこと」「まだよくわからないこと」を記述させたり、「質問カード」によって、疑問を提出することを促す。
子どものメタ認知を促すとともに、教師が授業をどう展開していくかを考えるのに活用する。

「教えて考えさせる授業」構築の3レベル
段階レベルとして①理解確認、②方針レベルとして疑問点の明確化・生徒自身の説明・教え合い活動、③教材・教示・課題レベルとして教科書やノートに付箋を貼っておく・ペアやグループでお互いに説明、わかったという生徒による教示

段階レベルとして①理解深化、②方針レベルとして誤りそうな問題・応用・発展的な問題・試行錯誤による技能の獲得、③教材・教示・課題レベルとして経験上、生徒の誤解が多い問題・間違い発見問題・より一般的な法則への拡張・生徒による問題づくり・個々の知識・技能を活用した課題、実技教科でのコツの体得・グループでの相互評価やアドバイス

段階レベルとして①自己評価、②方針レベルとして理解状態の表現、③教材・教示・課題レベルとして「わかったこと」・「わからなかった」こと

「教えて考えさせる授業」は、何をめざすのか

❶すべての児童・生徒にやりがいのある授業
・進んでいる子に足踏みさせない
・遅れている子どももついていける
❷教科書を使って、教科書を超える授業
・予習、授業、復習での共通のリソースとしての活用
・教材、指導法、課題によるバリエーション
❸確実な定義と理解・活用・思考・表現のある授業
・協同学習による参加意識とコミュニケーションの促進
・自己評価によるメタ認知の育成 

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