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言語活用力を育てる 1

言語活用力を育てる 1

読解に関する心理学研究の知見から、よんで理解するというのはどういうことかを理解する。
その上で、言語を「活用」するとはどういうことか、なぜそのような学力が必要とされているのかを知り、言語活用力を育てる実践との現状と課題について検討する。

1.「言語活用力」への関心の高まりとその背景
(1)言語活用力への関心の高まり

言語活用力への関心が高まるきっかけの一つに、学力調査の結果がある。
たとえば、OECD国際学力調査(PISA)「読解リテラシー」の結果はその代表的なものであろう。
PISAは、15歳を対象ね例として実施されている国際学力調査である。
日本は、2000年から調査に参加しているが、PISAの結果が大きく注目を集めたのは、2003年の結果であった。
日本の学習者の成績は、科学リテラシーや数学リテラシーではおおむね高く、OECD諸国の中でもトップレベルであった。
しかし、2003年の読解リテラシーの成績は14位と大きく後退しており、「1位グループ」には入ってなかった。
これは「PISAショック」と呼ばれ、「日本の学習者の学力」に対する危機感が高まった。
2006年の同調査でも、読解リテラシーの成績は15位と変化がなく、「読解力」の向上が急務であると考えられるようになった。

では、「読解力」とは何をさしているのだろうか。
PISAでは、読解リテラシー「自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に社会に参加するために、書かれたテキストを理解し、利用し、熟考する能力」と定義している(国立教育政策研究所、2004)。
日本の学習者の読解リテラシーの成績をより詳細に分析すると、書いてある内容に即した問いにはよく答えられる一方で、内容についての評価を行う問題や、文章をもとに意見を記述する問題の成績が高くないことが示された。
同時に、全国学力・学習状況調査からも、「資料や情報に基づいて自分の考えや感想を明確に記述すること」が求められる問題での正答率が低いことが指摘されている(国立教育政策研究所、2010)。
これらの結果から、日本の学習者の学力の問題が指摘されるようになった。
言語活用力「言語的な情報を理解しそれに基づいた思考・表現を行う」力と定義する。
上述の学力調査の結果は、日本の学習者の言語活用力に課題があることを示すものだといえるだろう。

(2)言語活用力育成に向けた動き

上に述べた「言語活用力」は、これまでの日本のカリキュラムの中では中心的にとりあげられてはこなかったものといえる。
2003年のPISAの結果を受け、文部科学省は、PISAで問われている言語活用力は、指導要領の学習目標とも共通しており、その向上をめざした指導の改善が必要であると述べている(文部科学省、2005)。
ここで、言語活用力を、「国語だけではなく、各教科、総合的な学習の時間など学校の教育活動全体で身につけていくべきもの」と位置づけており、「教科等の枠を超えた共通理解ととりくみの推進」をめざすことが重要であると指摘されている。

こうした背景から、新学習指導要領に「言語活動の充実」がうたわれ、さまざまな教科での言語を用いた活動を通して、言語活用力を高めていくことがめざされている。
ただし、言語活動の充実のもとでめざされている言語活用力は、PISAの定義する読解リテラシーより、さらに広範に及ぶものであることは留意が必要である。

言語活動で望まれる要素
❶体験から感じ取ったことを表現する
❷事実を正確に理解し伝達する
❸概念・法則・意図などを解釈し、説明したり活用したりする
❹情報を分析・評価し、論述する
❺課題について、構想を立て実践し、評価・改善する
❻互いの考えを伝え合い、自分の考えや集団の考えを発展させる

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