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科学的思考力を育てる 1

科学的思考力を育てる 1

1.科学的思考力とは

(1)科学的思考の定義

自然の事柄・現象について観察・実験などを推論する力「科学的思考力」という。
具体的に述べよう。
心理学実験研究においては、実験者が実験参加者に観察・実験を通した課題解決にとりくませ、そのプロセスを検討することによって、科学的思考力とは何かが検討されてきた。
結果、研究によって解決されるべき課題はさまざまであるが、どのような課題を与えても、基本となる解決プロセスは共通であるという見解が得られている。
基本となるプロセスとは、(1)仮説の形成、(2)観察・実験の計画と遂行、(3)証拠の評価の3つである。
PISA2009年調査は、科学的能力として「現象を科学的に説明する能力」・「科学的な疑問を認識する能力」・「科学的証拠を用いる能力」の3つを示している(国立教育政策研究所、2010)。
「現象を科学的に説明する能力」とは、現象を科学的に記述し、解釈し、変化を予測することが含まれるとされ、仮説の形成と重なる部分が多い。
同様に、「科学的な疑問を認識する能力」には、科学的な調査の重要な特徴、具体的には、比較すべきものは何か、変化したり制御されたりすべき変数は何かなどを認識するとが含まれるので、観察・実験の計画と遂行と一致するだろう。
「科学的根拠を用いる能力」は、証拠の評価である。
一方、国内の学習指導要領は、「科学的思考力とは何か」や「思考プロセス」について語るよりも、思考内容に即して語られているため、3つのプロセスが明確に記述されているわけではない。
しかしながら、記述一つ一つをとりあげてみると、仮説の形成、観察。実験の計画と遂行、証拠の評価に当たる内容が散見される。
以上述べてきたように、心理学研究や教育実践において、科学的思考力を定義する過程や下位カテゴリーの命名はさまざまである。
しかし、それぞれが「科学的思考力」と定めてきた思考プロセス一つひとつをとりだしてみれば、大まかに(1)仮説の形成、(2)観察・実験の計画と遂行、(3)証拠の評価の3つに分類することができることがわかるだろう。

 

(2)科学的思考に失敗する理由

とくに困難が指摘されることの多いのは、証拠の評価である。
Kuhnら(1988)は、さらに、より複雑なデータを示した場合には、成人であっても失敗することも示している。
人は、自分がもっている考えの確証となる結果を好んでみようとし、反証となる証拠の解釈には失敗する。
ほか、反証例の無視や排除だけでなく、反証例を受け入れるものの仮説の周辺的な変更で終わるといったパターンの失敗もあることも指摘されている。

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