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社会認識力を育てる 1

社会認識力を育てる 1

社会化での学力のあり方として、どのような教育目標を立てればよいのか、それはどのようにして実現できるかを、事実的知識、社会的認識、社会的実践というモデルに沿って考える。
暗記科目とみなされがちな実態に対して、知識の関連づけ、すなわち、理解を重視した学習が求められることを認知心理学的な背景からみていく。
カリキュラムや授業が展開されていく様子を実例から学ぶとともに、今後の社会科における評価の重要性を考える。

1.社会認識力とは
(1)社会化教育と社会認識力

学習指導要領(中学校)には、社会科の目標について次のように記載されている。

広い視野に立って、社会に関する関心を高め、諸資料に基づいて多面的・多角的に考察し、わが国の国土と歴史に対する理解と愛情を深め、公民としての基礎的教養を培い、国際社会に生きる平和で民主的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質を養う

教科書などに記述されている事実的知識を知ることは確かに重要ではあるが、それはあくまでも出発点であり、最終目標ではない。
資料・情報をもとに、知識を関連づけて理解することがより重要である。
たとえば、地理分野なら、それぞれの地域の自然、産業、文化がそのように関連しているか、歴史的分野なら、歴史的事象がどのような因果関係でつながっているか、公民的分野なら、政治や経済などの社会におけるさまざまなしくみが国民の生活にどのように関わっているかを理解することが不可欠である。
また、こうした理解を通じて、社会的見識とでもいうべき、自分なりの世界観・歴史観を形成すること、さらに、自分が社会の中でしたいこと、するべきことを考え、どのように実践していくかというプランにまで至ることが望まれる。

社会科学習のモデル
事実的認識・・・教科書
知識の関連づけ・・・相互社会の理解
社会的見識・・・自分なりの世界観・歴史観
社会的実践・・・行動への意思・プラン

社会認識力とは、このモデルでいえば、「知識の関連づけ」と「社会的見識」の形成に関わる部分といえる。
つまり、社会を構成するメンバーとして、社会というものに対してどれだけ豊かで関連づけられた知識とイメージをもっているかということが社会認識力であり、それは、新たな情報を理解したり、社会的問題の提起や判断・解決をしたりするときのよりどころとなるものである。

(2)地理的分野における知識の関連づけ

知識を関連づけたときの様子
一番下のレベルには、教科書に記述されている個別的知識があるが、これだけでは、必然性をもって関連づけられているといえない。
これを反復して丸暗記してもすぐに忘れてしまう。
最上段には、さまざまな対象にあてはまる法則的知識がある。
そして、中間層にあって、法則的知識と個別的知識を結びつけているのが接続的知識である。
既存の知識を使いながら、新しい情報(ここでは個別的知識)の間に必然的に関連を見出すことによって、覚えやすく、忘れにくくなるというよい例である。

(3)歴史的分野における「流れ」の理解

私は、歴史的分野は得意中の得意である。
理由は、年号を覚えず、なぜこのように至ったのか?を体現していたからである。
歴史の流れを自然と受入れ、勉強したこと、これが今でも忘れずにいることになっている。

それでは事例をみていこう。
西林(1994)はまた、歴史の問題として、次の4項目を古い順に並べるという問題を大学生に出し、できた学生とできなかった学生が、高校のときにどのような学習のしかたをしていたのかを調査したという。
①墾田永年私財法
②三世一身法
③荘園の成立
④班田収授法
正しい順序は、④、②、①、③である。
正答ができなかった学生たちは、それぞれの年代を個別に覚えるという学習方法をとっていたという。
語呂合わせで覚えたという学生も、その語呂合わせ自体を忘れてしまって、正答には至れないものが多かった。
正答したのは、土地の私有化に関する歴史の流れをつかんで記憶しようとした学生たちだったのである。

2.社会認識力を育てる授業実践
(1)アフリカの貧困問題を考えるー表現活動と評価の工夫

地理的分野で社会認識力を育てるという点で示唆的な授業実践を報告している。
アフリカの貧困問題を扱った単元では、まず実態把握として、統計資料の読み取りなどを通して、全体把握ツリーを作成する。
また、この図をみて考えたことを、200字作文としてまとめておく。
さらに、アフリカの貧困問題が発生する背景や、解決がすすまない理由について、資料を読みながら、「因果関係マップ」に表現していく。
この授業では、知識の整理や関係理解のために、生徒が図式的な表現を作成することや、文章化して考えをまとまめることが重視されており、それらは、生徒同士あるいは教師からの評価によって絶えず検討される。
結果的に、事実的知識を超えた深い認識を促していることになる。

(2)契約の解消をめぐって

考えさせる授業の効果として、「正誤を気にせずに、自らの考えを発言できるようになること」「教科書を超えて、世の中の動向に目を向けるようになること」などを挙げている。

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