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英語力を育てる 1

英語力を育てる 1

1.日本人の英語力と英語教育
(1)日本人の英語力

TOEFLの成績に表れている最近の日本人学習者の学力の低さというのは、日本の伝統的英語教育への批判ではすまされないものを含んでいることに注意しなくてはならない。
得点をみると、「聞く・話す」の低さはもとより、日本人は比較的強いと思われていた「読む・書く」についても、成績はけっしてよくないことがわかる。
最近の高校生、大学生の文法的知識、語彙力、英文読解力の弱さについては、大学研究者からも強く指摘されており、「もはやゼミで原書購読などできない」という声もしばしば聞かれる。
ここには、1990年代以降に行われている比較的新しい英語教育の問題も含まれていると考える劇だろう。

(2)英語教育の変遷

旧制高校や大学などでは、専ら英語、ドイツ語、フランス語など欧米の主要言語を学ばざるを得なかった。
ここで、文法を学んでから文章を読みこなしていく文法訳読法という教育方法が普及するが、これは当時の日本においては、極めて実用的な目的をもっていたことになる。
第二次世界大戦後、日本がアメリカの占領下に置かれたことと、世界におけるアメリカの地位、文化が圧倒的に強くなったこととがあいまって、中学校、高等学校では、外国語教育はとりわけ英語に力点が置かれるようになる。
学校教育や受験教育では、基本的には、これまでの文法訳読法に沿った教育が中心であったが、一つの新しい流れとして、音声刺激と発話のパターン練習を重視するオーディオリンガル法がアメリカからはいってきた。
この方法は、文法訳読法に比べてとりかかりやすく、実用的な内容が多いことから、民間の英語教室、放送教育、通信教育などで普及し、学校でもレコードや録音テープなどの補助教材としてはいってくる。
学校での英語教育が実質的に大きく変化するのは、「ゆとり教育」が推進される1990年代といえよう。
文法読解法を中心とした英語教育ではついていけなくなる生徒が多いことや、ついていける生徒でもいわゆる受験英語だけに強いだけで実用場面では英語が使えないことが正面から批判され、「コミュニケーション重視」という方針が打ち出される。
中学校の教科書は、文法の体系に沿って展開するのではなく、生活場面ごとに配列されるようになる。
文法や発音などは明示的に教師から教えることや、意図的な学習で語彙を増やすことはあまりされなくなる。
理論的な背景としては、コミュニカティブ・アプローチの影響がある。
ただし、大学入試の出題傾向が大きく変化したわけではないので、進学校や塾・予備校などでの英語教育は文法訳読が重視されており、日本の英語教育の現状は二重構造的な様相を呈してきたといえるだろう。

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