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英語力を育てる 2

英語力を育てる 2

2.英語教育と心理学理論の関わり
(1)英語教育の目的と学習動機

なぜ英語教育を行うのかについては、大きく3つの考え方がある。
これらは、教科教育の中でしばしば現れる教育目的のタイプであるが、人間は何のために学ぶのかという学習動機の分類と対応していると考えることができる。
まず、第一に、英語を学ぶのは、将来実生活で活用・応用できるからであるという理由がある。
これは、学習動機の2要因モデルでいえば、「実用志向」にあたる。
つまり、英語教育のの目的を学習者に理解させて意欲を喚起するには、その実用性を強調すればよいことになある。
第二には、形式陶冶的な立場から、英語を学ぶこと一種の知的訓練になるという理由がある。
学習動機の分類でいえば、「訓練志向」である。
第三には、直接にも間接にも「役に立つ」ということはひとまず度外視して、英語という新しい言語を学ぶこと自体が、学習者の知的好奇心や向上心を満たすものであり、教育の目的になりうるという理由である。
これは、学習動機でいえば「充実志向」にあたるだろう。
こうしてみてくると、英語教育の目的とされるものは、それぞれ心理的な動機論の裏づけがあるものの、単独では英語を学ぶことの理由づけや、学習者の意欲を喚起するには十分でないことがわかる。
現実には、「外国語をまったく学ばないよりは学んだほうがよい」という充実志向訓練志向の視点、「かといって、複数の外国語を学ぶのは子どもや学校の負担が大きいので無理である」という現実的理由、「一つを選ぶとすれば、役に立つ場面が多い英語がよい」という実用志向の視点、というように複合的に理由が重なり、英語に落ち着いているということがいえるのではないだろうか。

(2)心理学からみた外国語教授法

心理学の諸理論は、直接・間接に外国語教授法に影響を与えている。
学習に関する大きな潮流である行動主義心理学、認知心理学、状況論が、外国語教授法とどのように関わっているかをみる。

動物・人間における学習の一般的な原理を標榜した行動主義心理学は、学習を刺激・反応の連合による習慣形成とみなす。
学習方法としては、反復習熟、賞罰の即時フィードバック、スモールステップによる段階的・漸進的なカリキュラムなどを重視することになる。
これは、外国語教授法でいえば、模倣による反復と、定型的なパターン練習を行うオーディオリンガル法の裏づけともいえる考え方である。

認知心理学は、構造化された知識体系の構築を学習とみなす。
とくに、1980年代以降のメタ認知研究に表されるように、学習方略を駆使した意図的な自己調整によって学習をすすめるのが「うまい学習者(good leaner)」であるというイメージがある。
これを外国語教授法と対応づけると、いわゆる文法訳読を要とする日本の伝統的な英語教育に近いといえる。
そこでは、正確な文法的知識に基づいた構文把握や和文英訳、単語同士の関連づけを図った語彙獲得、例文や図式を用いた単語イメージの獲得、知識や文脈を利用したトップダウン処理による英文解釈などが重視されることになる。
この学習方法は、形式的に整った文章、たとえば、説明文、新聞・雑誌、学術論文などを読むにはかなり効果的であり、処理速度をあげていくことで速読にも移行し、講義やニュースなどのリスニングへの転移も期待できる。
しかし、学習者への知的負荷が高く、文法概念の習得でつまずいたり、日常的なコミュニケーションがすぐには上達しないという問題点もある。

1980年代から台頭した状況論(situation theory)という立場は、行動主義にしても、情報処理的な認知心理学にしても、人間の知的行為を個体単位でとらえすぎているといって批判する。
学習とは、社会文化的な実践共同体の中で状況に応じた振る舞い方を獲得し、アイデンティティを確立していく過程であるという。
ここでは、母国語の獲得過程というのが一つの学習モデルとなっている。
これを外国語教授法に対応づけると、コミュニカティブ・アプローチということになるだろう。
コミュニカティブ・アプローチは、元々1980年代のヨーロッパで労働力不足を補うために大量に流入した移民を、はやく社会生活に適応させるために発達した方法といわれる。
一般に形式的ルールの明示的教示には消極的であり、文法的性格より流暢さを重視する。
目標は、日常的状況での自然な表現、伝達行為とされるため、教室においても、自分のもっている情報をそれを知らない相手にいかにして伝えるか、という場面を設定してロールプレイなどを行うことになる。
外国語を使う必要性・必然性のある場を設けて、そこで外国語についての学習が付随的に起こさせることをめざす帰納的学習環境(functional leaning environment)イマージョン教育(emersion education)は、これをさらに発展させた教育の場といえるだろう。

3.英語教育実践への示唆
(1)中学校・高等学校での英語教育

学校での英語教育は、形式的陶冶的な意味を含めて、一定レベルの形式性を備えた英語使用者を目標にするべきであろう。
しかし、日本の生徒は英語に接するような環境にはなく、学校での時数も限られていることから、文法、発音などを明示的に指導する伝統的な方法からはいった上で、その弱点を教育用メディアや活用場面によって意図的に補っていくことが妥当ではないかと思われる。

(2)小学校英語のあり方

2008年の学習指導要領改訂によって、小学校での外国語活動が必修となり、小学校での外国語活動が必修となっている。
導入の是非については、改訂時にも大きな議論があり、最終的には5・6年生において年間35時間というかなり妥協的な決定となった。

日本の英語教育の問題点
(教育・学習環境の不備)
❶自主活動の軽視
❷教育内容の軽視(=教授法編重)
❸二項対立的思考による極端な方向転換
・訓練から発見学習へ
・教師主体から生徒(学習者)主体・文法・読解重視からオーラル重視へ
❹歴史の軽視

 

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