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探究の学習

探究の学習

我が国の教育は、長らく知識・技能の習得を中心に考えられてきた。
そこで不十分であったのは、批判的思考力創造的思考力の育成である。
近年、学習者の興味・関心に基づいてテーマを設定し、それを追究するような探求学習が重視されるようになってきた。
教科の中での探究活動、「総合的な学習の時間」での探求等について、事例を参考にしながら、目標とする学力、指導・支援のポイントなどについて考えていく。

1.探求の学習とめざす学力

(1)日本の教育に欠けていた学力とは

欠けていたと思われる「学力」は何だろうか。
一つには学問や社会の中で伝えられている既存の知識が本当かどうか疑い、吟味・検討するという批判的思考力(critical thinking)であろう。
もう一つは、それまでになかったような新しい事実、考え方、作品などを生み出そうとする創造的思考力(creative thinking)である。
どちらも学問の世界では大切なことであるが、社会がすすむにつれて、より多くの国民にそうした素養が求められるようになってきたといえる。

(2)探求学習と「総合的な学習の時間」

ここでいう探求の学習とは、自らの興味・関心に基づいて課題を設定し、それを探求していくような学習のことである。
習得サイクル探求サイクルのモデルでいえば、探求学習では、「課題設定」、「計画」、「実施・考察」、「発表・討論」という活動の流れになるのが一般的である。
習得の授業とは異なり、学習者の主体性がいっそう重視され、習得サイクルでの「教えて考えさせる授業」とは対照的に、必要に応じて教師が支援を行う、いわば、「考えさせながら教える授業」になる。
探究活動は、教科の中でも行いうる。
つまり、その教科に即した内容で、普段から疑問に思ったことや追求してみたいテーマを、学校の授業時間を使ったり、長期休暇の自由研究などとして行うことができる。
しかし、実際には、活動内容も多岐にわたり、そこで使われる知識・技能も教科横断的になることが多いため、学校では総合的な学習の時間があてられることが多いであろう。
そもそも、総合的学習はそのようなねらいをもって創設されたものであった。
1990年代にはいり、「新しい学力観」というコンセプトによって、知識の量を増やすだけの学力ではなく、自ら考え、表現するという側面の学力が重視されるようになっていった。
また、現代社会の直面するリアルで、教科横断的なテーマ(たとえば、環境、エネルギー、国際理解、福祉、健康、情報など)について、自ら調べ、考え、討論するような学習を促したいという期待もあった。
そこで、全体として授業時間を削減する中で、あえて新しく「総合的な学習の時間」を設けたのが1998年の学習指導要領である(小学校、中学校での全面実施は2002年度より)。
ちょうどこのころ、学力低下論争が起こったこともあり、2008年の学習指導要領の改訂では、全体的に教科の時間が増加し、総合的学習は時数が削減されたものの、「習得ー活用ー探求」という枠組みの中で、探求学習の重要性は引き続き強調されている。
とくに、小学校では総合の時間に外国語活動の時間を別途定めることにより、総合で行う学習活動は、生徒自身の興味・関心を重視した体験活動や探究活動を中心とすることがより明確になったともいえるであろう。

 

2.探究活動の実例

(1)数学の模擬学会

Researcher Like Activity(RLA)という考え方を中学校の数学の授業に導入したものである。
RLAとは、科学者が行っているような研究実践活動を模した活動ということで、もともとは、大学生や大学院の授業で行われていた。

(2)総合的な学習での課題追究

総合的な学習時間は、2年ごとに「総合学習入門」、「課題別学習」、「卒業研究」にあてられいる。

3.探求学習の成果と課題

探究学習は成果物の評価や、学習プロセスの評価が比較的難しいことも大きな要因である。
したがって、定量的な効果測定や、どのような指導方法が有効かという実証的な提言は今後にまたなくてはならない。
探究学習には多くの場合、コミュニケーション活動が伴っている。
いわゆる表現力と同時に、聴く力や、問う力も育つことになる。
指導する教員にもまた、それぞれの生徒の追求している問題に応じて支援するという力が必要とされることは確かであり、これは、大きな課題ともなっている。
探究の学習であるから、質問についての答えを教師がすべて与える必要なない。
しかし、どのように調べればいいのかという探求のしかたは示唆する必要がある。
また、教員が連携して支援にあたったり、地域の人材につないだりするためのコーディネート力が不可欠である。
探究という新しい学習を促すために、教師にも新しい資質が求められる時代になったといえるだろう。

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