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後悔を好機に変える 1

後悔を好機に変える 1

1.研究の背景、社会心理学における位置づけ

感情が合理的な思考を妨げるということが長年論じられてきたが、近年では感情の適応的機能に関して研究知見が多く提出されており、本書『後悔を好機に変える:イフ・オンリーの心理学』はまさにそうした流れの中にある。
著者のニール・ローズ反実思考に関して社会心理学の実証実験を実施し、その肯定的側面を明らかにしてきた。
反実思考(counter factual thinking)とは、「もし・・・だったら」と考えること
すなわち過去の事実と反する状況を思考することである。
反実思考によって生じる後悔感情は、喜びなどといったポジティブ感情と対照的に、ネガティブな感情として捉えられるが、必ずしもその影響は人間の適応にとって否定的なものではない。
著者がエピローグで記しているように”感情は行動をコントロールする基本的脳システムの一部であって、進行中の行動を調整するためにいつどのようにしたらよいのか、ネガティブな感情が合図してくれる”働きを持つことが、近年感情の機能に関する研究において示されてきた。
すなわち行動の遂行において感情はその状況に関して情報を与える役割を持ち、人はその情報によって自分の行動を今後どのように進めていけばよいのか導かれるのである。
もちろん「あのとき、~していればもっと良かったのに」という反実思考を繰り返し、以前の意思決定の対する後悔感情にずっと捉われてしまうことは、確かに人をその場にとどませることになるだろう。
しかしながら、後悔感情を活かして以前と類似した状況に直面した際に前とは異なる意思決定をすることや、他の道を模索することなどによって人は先に進んでいくことも可能なのである。
ところで、ギルバートは人間が未来の感情を予測する唯一の動物であると述べている。
本書は反実思考をに対する実証的研究の第一人者であるローズが初めて一般向けに著した書であり、研究全体について概観するためにも、本章では主に書籍の内容に関して紹介していく。

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