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信頼の構造 3

信頼の構造 3

(3)実証研究

繰り返しになるが、このような傾向は、あくまでも日本社会やアメリカ社会の構造から生み出されるものであって、日本人、アメリカ人の心の内部に組み込まれたものではないというのが、山岸の考えである。
それを支持する2つの実験をここで紹介する。
1つ目はコロック(1994)の実験をもとに計画された、商品取引をシミュレートした実験で、実験操作によって社会的不確実性を変化させた場合、社会的不確実性が高い場合には特定の売り手と買い手との間にコミットメント関係が形成されること、また傾向は、実験参加者が日本人であってもアメリカ人であっても(いずれも実験参加者は大学生)違いがないことを示したものである。
続いて行われた2つ目の実験では、社会的不確実性の高い場面に直面した場合、特定の相手とコミットメント関係を形成する程度は、低信頼者のほうが高信頼者よりも高い人が示された。
このような他者一般に対する信頼コミットメント関係形成との間の関連は、やはり日本人参加者でもアメリカ人参加者でも同様に見られることが示された。

(4)一般的信頼と社会的知性

ところで、他者一般に対する信頼が高い高信頼者というのはどのような人々なのだろうか。
社会的不確実性が高い状況では、低信頼者はコミットメント関係の形成や維持に執着するが、これは非常に合理的な行動だとも考えられる。

なぜなら、新規な他者を闇雲に暗頼することは、うまくいけば大きな利益を生むかもしれないが、相手が信頼に値する人物でない場合、大きな痛手を被ってしまう可能性があるからである
高信頼者は、誰でも信じる単なるお人好しで、それによって他者から搾取ばかりされている人間なのだろうか。
実は山岸は、このような問いに対して、高信頼者は低信頼者よりもむしろ他者の信頼性を見極める能力が高い人であることを、多くの実験によって実証している。
このような能力を本書では、「社会的知性」と呼んでいる。
すなわち、他者一般に対する信頼の高い人は、社会的知性が高い人である。
社会的知性は、社会的不確実性機会コストがともに大きい環境で発達する
なぜなら、そのような環境では、相互作用相手の信頼性を正確に見極めることが大きな利益をもたらすため、相手の信頼性に関する情報により注意が払われ、そのような情報を収集したり、処理したりすることに認知的な労力が費やされるからである。
このような認知的資源の投資の結果が、社会的知性の発達をうながすと考えられる。
山岸他者一般に対する信頼社会的知性とは共進化してきたと説明する。
共進化とは、ある特性がそれ単体では適応的価値を持たなくても、別の特性と組み合わせることによって、適応的価値を持ち、それゆえに両者がともに進化することを言う。
信頼の解き放ち理論では、会的不確実性機会リストがともに高い状況では、高信頼者が低信頼者よりも大きな利益を得る可能性を指摘したが、それはあくまでも社会的知性を伴う場合だけである。
反対に言えば、社会的知性が高い人間にとっては、既存の人間関係を離れても、搾取される可能性が低いため、一般的信頼を高い水準でし続けることが適応的価値を上げる方法になると言える。

3.その後の研究の展開と現状、他の研究との関連

「共進化」「適応的価値」という言葉が出てきたことからもわかるように、本書で扱う研究や理論の背景には進化心理学的な考え方がある。
進化心理学とは、人間の身体的特徴だけでなく、心理的特徴も進化の産物という認識に立った心理学である
進化心理学によれば、現在、私たちが所有している心の働きは、私たちの生活環境の中で私たちの生存や繁殖の可能性を高める価値(適応的価値)を持つものであったために、自然生活の過程の中で生き残ってきたのだと考えられる。
この意味で、一般的信頼や社会的知性も、進化的適応の産物だと言える。

このように本書で紹介される知見や理論は、現代の社会心理学に対し、学術的な示唆に富むものであるが、本書は他方で、これまで「安心」を基盤として築かれてきた日本社会の限界を指摘し、「信頼」に基づく社会へと方向を転換すべきと提唱する日本文化論的な色彩も有している。

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