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インターネットにおける行動と心理 1

インターネットにおける行動と心理 1

1.研究の背景、社会心理学における位置づけ

今回から、アダム・ジョイソンの『インターネットにおける行動と心理:バーチャルと現実のはざまで』を取り上げる。

インターネットののように、ネットワーク・コンピュータを介して行われる双方向型のコミュニケーションのことを、社会心理学では、「コンピュータ媒介型コミュニケーション(computer-mediated communication:(CMC)」と呼ぶことが多い。
本章では、ウェブ閲覧のような一方向型の情報収集活動見含め、インターネットを介した情報伝達行動全般を総称するものとして、「インターネット・コミュニケーション」という用語を用いる。

2.研究、本の内容の紹介
(1)インターネットが提供するコミュニケーション環境

認知心理学者のジェームス・ギブソンは1979年に「アフォーダンス」という概念を提唱した。
これは、体や環境に備わっている固有の特徴が、行為者である生物に、ある特定の行動の可能性を示唆すると考える立場である。
たとえば、硬くて平らな面は、人間に歩くという行動の可能性を示唆すると考えられる。
ジョインソンは、インターネットが提供するコミュニケーション環境の特徴を、

❶同期性

コミュニケーションが時間的に同期して行われるか否かという側面である。
対面コミュニケーションは動機を基本とするが、インターネット・コミュニケーションの場合、非同期を選択することも可能である。
そして、非同期コミュニケーションでは、すぐに反応を返す必要がないことからコミュニケーションの内容をゆっくり吟味できる環境が出現する。

❷匿名性

コミュニケーションの参加者を他の参加者が識別できない「識別性の欠如」と、コミュニケーションを行っている参加者の様子を他の参加者が見ることのできない「視覚的匿名性」の2つの意味を含んでいる。
対面の場合、どちらの意味においても、匿名性の高いコミュニケーション環境を実現することは難しい。
しかし、インターネットでは、識別性の欠如視覚的匿名性が同時に存在する環境(たとえば、匿名掲示板など)や、視覚的匿名性のみが存在する環境(たとえば、ソーシャル・ネットワーキング・サービスなど)を容易に実現できる。

❸伝達される手がかりの形式

社会的文脈手がかりの伝わりやすさに関する側面である。
インターネットでは、文字を用いることで、送り手が言語化した情報(言語情報)のみを伝えることも可能である。
しかし対面では、送り手の様子や周囲の状況といった、送り手が言語化していない情報(非言語情報)も視覚や聴覚や嗅覚などを通して同時に伝わってしまう。
つまり、インターネットは、社会的文脈を理解する上で有効な手がかり(非言語情報)が自動的には伝わりにくく、送り手の側で調整しやすい環境になっている。
技術的な進歩により、現在ではインターネットを通して文字以外の非言語情報を送ることも容易になったが、情報が送り手によって編集・加工されている可能性が残るという意味で、依然として対面とは異なるコミュニケーション環境になっている。

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