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推論―論理的に考える、一から十を知るー3

推論―論理的に考える、一から十を知る―3

3.帰納的推論

帰納的推論(induction)は、前提から新たな仮説を結論として生成する認知機能である。
帰納的推論には一般帰納特殊帰納がある。
一般帰納とは、前提事例をもとにそれを包括する一般的な仮説を生成する帰納推論である。
特殊帰納とは、前提事例と同じレベル・階層にあるほかの事例の特性を導き出す帰納的推論である。

(1)仮説生成・検証

一般に、データ(事実命題)を前にして、そこから帰納的推論によって新しい仮説を生成することで、科学は進歩してきた。
すなわち、人は、日常的に、「仮説生成」を行っている。
そして、新たな情報が得られたり、あるいは自ら求めて情報を収集したりして、仮説を検証する。
仮説生成・検証では、得られた情報は新たな事実となって、仮説(信念)の強度が更新されることになる。
仮説生成・検証の古典的な研究では、ブルーナーら(1956)による一般帰納に関する先駆的な研究がある。

【ウィルソンの2・4・6課題】

ウィルソン(1960)は、実験参加者に教示を与えるが、とりあえず、実験参加者に3つの数字(2・4・6)が与えられる。
これが「ウェイソンの2・4・6課題」と呼ばれるゆえんである。
つまり、仮説生成である。
結果からいうと、まず、実験者の考えたルールは、「昇順の3数字列」、といった包括的なルールであった。
この実験で注目すべきは、参加者が挙げる3数字列は、自ら生成した仮説(例えば、「2ずつ増える数」)を検証するための証拠という点である。
参加者がどのような例を挙げるかで、検証の意図がわかる。
確証化(confirmation)は、ある仮説に対して、それを支持するか、あるいは、立証する証拠を探す試みであり反証化(falsification)は、ある仮説に対して、その反例を試みである。
2・4・6課題では、参加者は自分の仮説を確証すると思われる3数字列を挙げる傾向があった。
これは後に確証バイアス(confirmation bias)と呼ばれた。
確証化のみでは、真実のゴールにたどり着くことは少ない。

(2)ベイズ規則に基づく仮説評価

事前確率
条件付確率(尤度)
仮説の妥当性
仮説の確からしさ
ベイズ規則は、人の推論における仮説評価や認知モデルの検証ばかりでなく、ビッグデータを用いる現代のICT社会では、データ分析に不可欠な手法となってきている。

推論は、日常生活上、必要不可欠な認知機能である。
ただし、ここまで説明してきたのは、「意識的に考える」認知機能であるが、推論にも、「無意識的に、迅速に、考える」認知機能があることがわかっている。
エバンス(2006)は、それを踏まえて、推論の二重システムモデルを提唱しており、無意識的な推論システムのモデル化を行っている。
カーネマン(2011)それらをシステム1(迅速な処理システム)、システム2(緩やかな処理システム)と呼んでいる。

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