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認知と発達ー推論する心、共感する心ー1

認知と発達―推論する心、共感する心―1

【キーワード】
シナプス刈り込み、馴化脱馴化法、知覚的狭窄、発達的戦略、クロスモーダル可塑性、社会的参照、共同注意、心の理論、誤信念課題

1.発達初期の神経ネットワーク

ポルトマンは、人間が未熟な状態で生まれてくることを「生理的早産」と呼んだ。

(1)個体発生における脳と神経ネットワークの形成

シナプスの数は、ハッテンロッカーら(1982)の研究によると、生後8~12カ月の間に成人の1.5倍ほどになるという。
これは、生涯でシナプスの数がピークになる時期である。
以降、シナプスの数は徐々に減少し始める。
この現象は、シナプス刈り込み(synapse elimination)と呼ばれ、生後間もない動物の脳で普通に見られることがわかっている。
これにより、必要なシナプス結合だけが強化され、不要なシナプス結合は除去され、成熟した機能的な神経ネットワークが形成されることになる。

(2)シナプス刈り込みと脳部位の関係

シナプス刈り込みは、脳の部位によってその「度合い」が異なること、そしてその違いは情報処理のレベルと関係していることがわかった。
すなわち、一次視覚野よりも視覚連合野の方が、視覚連合野よりも前頭連合野の方が、生まれた時から多くのシナプスを持ち、多くのシナプスを形成し、そして多くのシナプス刈り込みが行われることが明らかとなった。

2.知覚における熟達化
(1)乳児の実験パラダイム

伝統的な方法に、ファンツ(1958)が考案した選好注視法(preferential looking method)がある。
これは、乳児が興味を持った対象を注視する性質を利用したものである。
2種類の刺激を横に並べて対提示すると、乳児の好む刺激の方に注視時間や注視頻度が偏る。
この方法により、乳児がパターンを弁別できること、また、より複雑なパターンを好み、特に人の顔を好んで注視する傾向が示された。
ただし、この方法は、乳児の好みが刺激間で同程度の場合、有効ではなくなる。
そこで、確実に乳児の弁別能力を測定する方法が考案された。
乳児は目新しい刺激(新奇刺激)が提示されると注意が喚起され、刺激の方に「顔を向ける」定位反応が起きる。
この性質を利用したのが馴化脱馴化法(habituation/dishabituation method)である。
実験では、まず馴化のための刺激を乳児に提示する。
乳児は目新らしい刺激をすぐに注視するが見慣れてくると見なくなる。
そこで次に新奇刺激を提示して、乳児が注視したとすれば慣れからの回復、すなわち「脱馴化」が生じた(刺激は異なるものとして区別されたみなす。
脱馴化が起きなければ、それは乳児にとって見慣れたもの(刺激は同じものとして知覚された)ということになる。

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