ビジネスEQ 雇用主の67%がEQを重視
あらゆる分野で卓越した業績を上げるには、EQ=心の知能指数を発揮できねばならない。
この本はまず、これまでのビジネスの原則が大きく変わり、
雇用はもはや保障されてはいないという説明から始まる。
かつては、
われわれが最終的にどういう仕事をするかは、
大学の学業成績か専門技術によって決まっていた。
ところが今は、学力や専門能力は仕事を始めるための最低限にすぎない。
仕事の「できる」人間になるには、
これ以外に
弾力性、独創力、楽観的なものの見方、
適応力、共感性といった能力や
資質が求められる。
EQを雇用の条件にしていると認める経営者は
ほとんどいないが、
いずれEQが決め手になるケースが多くなるという。
性格、人格、成熟、ソフト・スキル、向上心
といった他の言葉でEQを言い換えてもいいだろう。
ゴールマンは、
今なぜEQが企業にとって重要なのか、
なぜ従業員がEQを伸ばすことを要求されているのかを明らかにしている。
競争の激しい業界では、新製品の開発から得られる利益は限られているため、
企業は製品だけで勝負するのではなく、人材活用の面でも競い合うというのがその理由だ。
激しいビジネス環境の中で企業が成長するには、EQのスキルが不可欠なのである。
ゴールマンによれば、
企業120社を対象とした調査では、
従業員が優れた業績を上げるためにどんな能力が必要かという問いに対して、
雇用主の67%が
「感情コンピテンス」
と答えたという。
つまり、
3分の2が
IQや専門スキルよりも、
むしろ一般的な行動に関するスキルを必要条件としているのだ。
特に、雇用主が従業員に求めるスキルは
以下のとおりである。
◆傾聴とコミュニケーションのスキル
◆変化に対する適応力と障害を乗り越える力
◆自信、モチベーション、自分のキャリアを伸ばそうとする意欲
◆協調性と意見の不一致に対処する力
◆組織に貢献する、あるいはリーダーシップを発揮する意欲